それにしても、どうしてこの試練が「神職としての力量」を試す試練なのだろうか。
同じ力量の相手と戦う場合、多くの者は引き分けになるはず。力量を測りたいなら、自分を相手にさせるのではなく程々に強い相手をぶつける方が測りやすいのではないだろうか。
1つ目の試練は理にかなっていたが、どうもこの2つ目の試練は何か引っかかる。
形代を倒さなければ次に進む鍵は得られないのだけれど、本当に倒すだけなのか?
「……泰紀って」
やけに視線を感じて顔を向けると、亀代が品定めするようにじっとこちらを見つめていた。
若干の居心地の悪さを覚え、なんだよ、とドキマギしながら答える。
「泰紀って、アイツらがいない時は静かなんだな」
またそれかよ、と息を吐く。クラスメイトたちが居なくなってから色んな大人たちに同じことを言われた。
「一人で馬鹿やっても、楽しくねぇだろ」
別に悪戯が好きな訳じゃない。罰則は面倒だし怒られるのだって嫌いだ。
それでもバカ騒ぎするのは、アイツらと一緒だからだ。アイツらとふざけるから楽しい、アイツらと悪戯するからわくわくする。
ただ、それだけだ。
喧嘩別れのようになった慶賀のことを思い浮かべる。
これまで散々喧嘩はしてきたけれど、ここまで尾を引くのは初めてだった。
まだ怒っているだろうか。譲れないものがあったからといって、俺ももう少し別の言い方ができたんじゃないだろうか。
帰ってきた時には、仲直りできるだろうか。



