「ちょっ、俺これから大事な用があるから出てってくれよ!」
のんびりくつろぎ始める二人に、泰紀は慌てて詰め寄った。胡座の上に肘をおき頬杖をついた亀代が口角を上げて口を開く。
「大事な用って、専科生の卒業式の日に本庁にこっそり忍び込むことか?」
「なっ!?」
戸惑いで声を上げた泰紀に、鶴吉がニヤリと笑い続ける。
「職員を装って裏口から侵入することか?」
「な、なんで」
「お前わかりやすいんだよ。アイツらが消えた翌日から、落ち込むどころかせっせこ本庁の周辺を探ったり、こそこそ何か準備し始めたりさ」
絶対に失敗できないと思って目の前のことしか見えていなかった自分に顔を顰めた。
もしかしてこの二人以外にも自分の計画がバレているんじゃ。
「まぁ他の奴らはお前より消えたヤツらの方に注目してるから気付いてないだろうな。そこは安心しろ」
亀代の一言にホッと息を吐いた泰紀は、隠す意味もないと判断し二人の前に腰を下ろした。
「で? 何を企んでやがる」
「まぁこそこそ侵入するのは、おおかた何かを盗みたいときだろうな」
「そんでもってアイツらが消えた翌日からってことは」
「それと何か関連してんだろ」
先程まで面白がっていた双子の表情が真剣な眼差しに変わった。クラスメイトたちが消えた理由と関連していると踏んだらしい。
あまりの察しの良さに若干の居心地の悪さを感じて、首の後ろをさすった。



