言祝ぎの子 結 ー国立神役修詞高等学校ー


来光くんが限界を迎えたかのようにそう叫んだ。


「諦めるな! 全員で唱えれば間に合うからッ!」


泣き叫ぶように嘉正くんが怒鳴った。顔を顰めた来光くんが眼鏡を投げ捨て袖で目を擦り胸の前で手を合わせる。


「もう、いい。もういい、から……」

「いい訳ないだろバカなのかッ!」


恵衣くんが叫んだ。頬には大粒の涙が流れている。クソッ、と悪態を着いてそれを脱ぐって奏上を続けた。


「あー……やっぱり、な。いつかは……こうなると、思ってたッ……」


はは、と力なく笑った慶賀くん。

もう喋るなと皆が叫ぶ。慶賀くんは小さく首を振って続けた。


「帆負命に、神祝き、もらったろ。みんな、喜んでるとき、おれなんにも、感じなかったんだ……おれ、やっぱり、許されて、なかったんだなって。神さまから、見放されちゃった、んだって」

「そんな事ない! 慶賀くんのことはもうみんな許してる! 間違ったことをしたなら、これからやり直せばいいんだよ!」


どんどん力が抜けていく手を必死に握りしめる。慶賀くんの顔はふと穏やかな顔をして私達を見た。


「さいごに泰紀と、仲直り、したかったなぁ……」

「今からでもできるだろッ! 全部が終わって土下座しろ!」


来光くんが必死に傷口を抑えた。指の隙間からポタリポタリと血が滴り落ちる。止まる様子はない。