みんなを巻き込むつもりはなかった。一人でどうにかしようと思っていた。けれども今、こうしてまた皆に支えてもらっている。
私はやはり、弱い人間だ。
「ごめんね」
自然と漏れた言葉はやはり謝罪の言葉だった。
はぁ、と恵衣くんが小さくため息を吐き立ち上がった。そんな様子にぎゅっと首を縮める。
「言祝ぎを口にしろって言ってるだろ」
どこか遠慮気味に、叩くように頭に乗せられた手は不器用ながらも優しかった。
はっと顔をあげるともうその背中は遠ざかっており、綺麗に畳まれた洗濯物と頬にほんのりと淡い熱だけが残った。



