この指先が、きみに届くまで

青春・恋愛

この指先が、きみに届くまで
作品番号
1766376
最終更新
2025/11/23
総文字数
11,061
ページ数
3ページ
ステータス
未完結
いいね数
0
「人生が漫画だとしたら、僕はコマの隅でコッペパンを齧っているだけのモブキャラだ」

高二の春、相川湊はそんな鬱屈を、匿名相談アプリ『ルーム』のチャット欄に吐き出した。
AIか人間かも分からないオペレーターからの返信は、予想外のものだった。

『その人の目から見た一日、わたしは読んでみたいです』

その言葉に導かれるように、湊は自分の「観察する目」を通して、世界を言葉にし始める。
行けないはずの水族館、ガラス越しの花火大会、味わったことのない購買のパンの味。
画面の向こうにいたのは、佐伯詩乃。重い病で病室から出られず、身体の自由を失いつつある同い年の少女だった。

言葉を交わすたび、二人の距離は縮まっていく。
けれど、湊が彼女を「物語」として綴ろうとしたとき、その観察者の視線は意図せず彼女を傷つけてしまう。
「きれいな物語」と「残酷な現実」の間で揺れ動く湊に、やがてサービスの終了と、詩乃の病状の悪化が迫り――。

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