『さっさ、では最後のお料理、麹あんこのフルーツ大福を召し上がれ。玉露のお茶も淹れましたよ』
ミケ・アンジェロがとうとうデザートを運んできてしまった。ということは、さわとの時間も終わりが近付いているということだ。
玉露の香ばしく清々しい香りが、口の中をさっぱりと洗い流してくれる。丁度いい温度で淹れてくれたお茶は、何杯でも飲めそうなくらい美味しい。それに麹あんこの大福は、紬がとても気に入って食べていたおやつであった。中には苺がまるまる一個入っている。柔らかい求肥の中から優しい甘さの白餡と、甘酸っぱい苺の瑞々しさが順番に口腔に広がる。季節によって、中のフルーツがみかんだったりマスカットだったりしたのだが、中でも苺が一番好きだった。これも、さわが作ったものと同じ美味しさだ。
「私が作っていた時よりも上等の苺ね」なんて、さわは喜んでいる。
「自分で作るのも楽しかったけど、こうして作ってもらったものを食べるのもいいものね。やっぱりアンジェロさんに頼んで良かったわ」
終始笑顔の二人だったが、紬は終わりの時間を意識し始めていた。これを食べ終わると、さわと本当のお別れになる。いや、食べなくとも時間がくればそこで終了なのだ。
行かないでとも言えない。一緒に行くとも言えない。でも、もう一度さよならを言う勇気も、紬は持っていなかった。
「どうしたの? 紬ちゃん、大福は好きじゃなかった?」
「好きだよ!! うん、美味しい」
さわから話を振られて慌てて大福を頬張る。
「んっ、ぐふっ……」
「あらあら、大変。慌てて食べると喉に詰めるわよ。お茶を飲んで」
「ん……ごめん。ゆっくり食べるね」
「どうしたの? 急に慌てて。ゆっくり食べても、大福は逃げないわよ」
「そうだね。ははっ……」
折角の楽しい時間なのに、ぼうっとしてしまった。どうにか時間が止まらないかと願わずにはいられない。時間は止まらなくても、なるべくゆっくり進んで欲しい。
それでも小振りなサイズの大福は、ペロリと紬の腹に収まってしまった。続けて残りのお茶を飲み干すと、メニューの全てを食べ終えた。
ここに来るまでの時間はとても長く感じたのに、いざ食べ始めると、実に呆気なく終わったように感じてしまう。
急に寂しさに襲われる。紬とは正反対に、さわはとても満足そうに自分のお腹を撫でていた。
「こんなに沢山食べられたのはいつぶりかしら。病院にいるときはどんどん食欲も落ちて、最後は点滴だけだったし。とっても贅沢をした気分だわ」
「私も、またおばあちゃんのご飯が食べられて、願いが叶ったよ」
「喜んでもらえたかしら?」
「とってもよ! おばあちゃんと、アンジェロさんに感謝してる」
また、会いたい……そう言いそうになってしまった。しかしその言葉を遮るように、ミケ・アンジェロが厨房から出てきた。
『いかがでしたか? 思い出ご飯と、お二人の時間を楽しんで頂けましたでしょうか?』
ミケ・アンジェロは満面の笑みで尻尾を揺らしながらテーブルの前に立った。
「アンジェロさん、今日は本当にありがとうございました。お陰でとっても素敵な時間を過ごせましたよ。ねぇ、紬ちゃん」
「う、うん。とても楽しかったし、美味しかったです」
『それはそれは、有難きお言葉』
ミケ・アンジェロは深々とお辞儀をする。その後の言葉は聞きたくなかった。始まれば終わりが来る。そんなことは分かっている。でも、終わりをもっと先延ばしにしたい。もう少しおばあちゃんと一緒にいたい。紬のそんな思いは、さわによって堰き止められた。
「さぁ、ここからは紬ちゃんが自分の足で歩んでいくのよ」
「おばあちゃん……嫌だ、まだ一緒にいたい。もっと話がしたい。まだ、自分で進む自信が持ててないよ」
「大丈夫。紬ちゃんは優しくて、そして強い子だから。自分を見失わないで、前に進めるわ」
「でも、もし……もし失敗したら? 諦めてしまったら? その時はどうすればいいの?」
「そんな時は、もう一度立ち上がる勇気を持つことよ。その時に、新しい目標を持ってもいい。別の道を選んでもいい。大切なのは、一歩前に進むことよ。その一歩が、いつか大きな目標を達成するために必要なことなの」
それでも、その時隣にさわがいてほしい。今までと同じように、背中を撫でて慰めて欲しい。美味しい料理で励まして欲しい。わがままを言っているとは分かっている。幼い子供が駄々を捏ねているのと変わらない。こんなことを言うとさわを困らせてしまう。それでも紬は大好きなさわと離れる勇気を持てなかった。
「おばあちゃんの側にいたいよ」
両手で涙を拭っても拭っても、後から後から溢れて止まらない。さわは席を立ち、紬の隣にしゃがむと、また背中を撫でくれた。
「大丈夫よ、私はいつだって紬ちゃんのすぐ側にいるわ。ここよ、ここ」
さわは自分の胸に手を添える。
「紬ちゃんの心に、私はずっと住み続けているわ。思い出せば、いつだって会えるのよ」
「———おばあちゃん」
椅子から転げ落ちるようにさわの前にしゃがむと、そのままの勢いで抱きついた。
さわは背中を撫でる手を止めないでいてくれた。
ミケ・アンジェロはそんな二人を見守っている。何も言わずに、ただそこに立っていた。自分の役目は果たした。あとは紬自身が決断するのを待つだけだ。そう言っているようでもあった。
さわを抱きしめる視線の先に、ミケ・アンジェロの足先だけが見えている。スラックスの裾から出ている、茶色い模様の入った毛むくじゃらの足。手紙が届いた時は全てが胡散臭くて信じられなかった。でも今はとても感謝している。折角さわとミケ・アンジェロがこのような場を設けてくれた。ずっと悲しんで前へ進めなかった紬を勇気付けるために。それならば、紬はそれに応えなければいけない。そう思えた時、紬はさわから体を離す。
さわはそっと肩に手を置き、頷いた。二人で立ち上がると、さわは今度はミケ・アンジェロの隣に並んで立った。
「今度は、私が紬ちゃんを送り出すわ。だからここから、自分の意思で進んでちょうだい」
「分かった。じゃあ、行くね。今日は本当にありがとう。大好きだよ、おばあちゃん」
「私も、ずっとずっと紬ちゃんが大好きよ」
『紬様。では、今からこの店のドアを閉めるまでは前だけを向いて。決して振り返ってはいけません』
「はい。アンジェロさんも美味しいお料理をありがとう。ご馳走様でした」
紬はお礼を言うと、今度こそ二人に背を向ける。もう、さわの方を向いてはいけない。
(最初の一歩を……)
紬は自分に言い聞かせると大きく深呼吸をし、一歩前に進む。きっと今、さわは紬に手を振っているだろう。紬も振り返って大きく手を振りたい。でもそれをしてはならない。このカフェのドアを閉めるまでは、前だけを向いていなくちゃいけないのだ。
ついにドアノブに手をかける。もう一度深呼吸をすると、思い切ってそのドアを開いた。目の前はすっかり暗くなっていて、風がカサカサと辺りの木を揺らして乾いた音を奏でている。
後ろ手にドアを閉めると、夜空を見上げた。星が少し見えている。柔い光は、今の紬を慰めるには物足りない。
「はぁ……終わっちゃった……」
ため息を吐いて、ドアに凭れかかった時、驚いて思わず振り返る。すると、さっきまであったはずのカフェは跡形もなくなくなっていて、木の幹が視界に飛び込んできた。
「嘘……」
やはりさっきまでの時間は幻想だったのか……祖母の姿も思い出ご飯も、全て誰かが見せた夢だったのか。
満たされた気持ちになっていたのに、虚無に襲われる。乾いた風が紬の髪を靡かせた。帰らなければならないのに、どうしてもここから動けない。いくら大木を触っても叩いても、最後の晩餐カフェはもう二度と現れることはなかった。
「おばあちゃん、アンジェロさん!!」
呼んだところで返事が聞こえるはずもない……のだが、足元にふわりと柔らかいものが触れた。
「ニャァン」
「え? マロン!?」
聞き覚えのある声が聞こえ、自分の足元を見るとそこにいたのは飼い猫のマロンだった。事故で曲がってしまった尻尾がゆらりと揺れている。
「もしかして、本当にマロンがあのアンジェロさんだったの?」
「ニャァン」
紬の言葉に答えるようにマロンが鳴く。今度は放心状態になってしまった紬であったが、マロンがさわと再会させてくれたのであれば、それはとても嬉しいと感じた。
「マロンのお陰だと思ってもいいかな?」
「ニャァン」
「やっぱりそうだったのか。ありがとう、マロン。私は、もう大丈夫だからね。今まで元気がなくてごめんね」
マロンを抱き上げると、ゴロゴロと喉を鳴らし紬に頬をすり寄せた。これからも紬に寄り添うと言ってくれているみたいだ。マロンにも「ありがとう」を伝えると、教会を出る。
塀に沿って停めていた自転車のカゴにマロンを乗せ、ゆっくりと歩き始めた。
「お家に帰ろうか」
「ニャァン」
「ねぇ、マロン。私、決めた。おばあちゃんみたいに、誰かを支えてあげられるような料理を作る人になりたい」
明日、もう一度さわの家に行ってレシピを持って帰ろうと思った。
(おばあちゃん、最初の一歩を踏み出すからね)
一番星に誓う。
夜空の柔らかい光は、さわの優しさと良く似ていた。
ミケ・アンジェロがとうとうデザートを運んできてしまった。ということは、さわとの時間も終わりが近付いているということだ。
玉露の香ばしく清々しい香りが、口の中をさっぱりと洗い流してくれる。丁度いい温度で淹れてくれたお茶は、何杯でも飲めそうなくらい美味しい。それに麹あんこの大福は、紬がとても気に入って食べていたおやつであった。中には苺がまるまる一個入っている。柔らかい求肥の中から優しい甘さの白餡と、甘酸っぱい苺の瑞々しさが順番に口腔に広がる。季節によって、中のフルーツがみかんだったりマスカットだったりしたのだが、中でも苺が一番好きだった。これも、さわが作ったものと同じ美味しさだ。
「私が作っていた時よりも上等の苺ね」なんて、さわは喜んでいる。
「自分で作るのも楽しかったけど、こうして作ってもらったものを食べるのもいいものね。やっぱりアンジェロさんに頼んで良かったわ」
終始笑顔の二人だったが、紬は終わりの時間を意識し始めていた。これを食べ終わると、さわと本当のお別れになる。いや、食べなくとも時間がくればそこで終了なのだ。
行かないでとも言えない。一緒に行くとも言えない。でも、もう一度さよならを言う勇気も、紬は持っていなかった。
「どうしたの? 紬ちゃん、大福は好きじゃなかった?」
「好きだよ!! うん、美味しい」
さわから話を振られて慌てて大福を頬張る。
「んっ、ぐふっ……」
「あらあら、大変。慌てて食べると喉に詰めるわよ。お茶を飲んで」
「ん……ごめん。ゆっくり食べるね」
「どうしたの? 急に慌てて。ゆっくり食べても、大福は逃げないわよ」
「そうだね。ははっ……」
折角の楽しい時間なのに、ぼうっとしてしまった。どうにか時間が止まらないかと願わずにはいられない。時間は止まらなくても、なるべくゆっくり進んで欲しい。
それでも小振りなサイズの大福は、ペロリと紬の腹に収まってしまった。続けて残りのお茶を飲み干すと、メニューの全てを食べ終えた。
ここに来るまでの時間はとても長く感じたのに、いざ食べ始めると、実に呆気なく終わったように感じてしまう。
急に寂しさに襲われる。紬とは正反対に、さわはとても満足そうに自分のお腹を撫でていた。
「こんなに沢山食べられたのはいつぶりかしら。病院にいるときはどんどん食欲も落ちて、最後は点滴だけだったし。とっても贅沢をした気分だわ」
「私も、またおばあちゃんのご飯が食べられて、願いが叶ったよ」
「喜んでもらえたかしら?」
「とってもよ! おばあちゃんと、アンジェロさんに感謝してる」
また、会いたい……そう言いそうになってしまった。しかしその言葉を遮るように、ミケ・アンジェロが厨房から出てきた。
『いかがでしたか? 思い出ご飯と、お二人の時間を楽しんで頂けましたでしょうか?』
ミケ・アンジェロは満面の笑みで尻尾を揺らしながらテーブルの前に立った。
「アンジェロさん、今日は本当にありがとうございました。お陰でとっても素敵な時間を過ごせましたよ。ねぇ、紬ちゃん」
「う、うん。とても楽しかったし、美味しかったです」
『それはそれは、有難きお言葉』
ミケ・アンジェロは深々とお辞儀をする。その後の言葉は聞きたくなかった。始まれば終わりが来る。そんなことは分かっている。でも、終わりをもっと先延ばしにしたい。もう少しおばあちゃんと一緒にいたい。紬のそんな思いは、さわによって堰き止められた。
「さぁ、ここからは紬ちゃんが自分の足で歩んでいくのよ」
「おばあちゃん……嫌だ、まだ一緒にいたい。もっと話がしたい。まだ、自分で進む自信が持ててないよ」
「大丈夫。紬ちゃんは優しくて、そして強い子だから。自分を見失わないで、前に進めるわ」
「でも、もし……もし失敗したら? 諦めてしまったら? その時はどうすればいいの?」
「そんな時は、もう一度立ち上がる勇気を持つことよ。その時に、新しい目標を持ってもいい。別の道を選んでもいい。大切なのは、一歩前に進むことよ。その一歩が、いつか大きな目標を達成するために必要なことなの」
それでも、その時隣にさわがいてほしい。今までと同じように、背中を撫でて慰めて欲しい。美味しい料理で励まして欲しい。わがままを言っているとは分かっている。幼い子供が駄々を捏ねているのと変わらない。こんなことを言うとさわを困らせてしまう。それでも紬は大好きなさわと離れる勇気を持てなかった。
「おばあちゃんの側にいたいよ」
両手で涙を拭っても拭っても、後から後から溢れて止まらない。さわは席を立ち、紬の隣にしゃがむと、また背中を撫でくれた。
「大丈夫よ、私はいつだって紬ちゃんのすぐ側にいるわ。ここよ、ここ」
さわは自分の胸に手を添える。
「紬ちゃんの心に、私はずっと住み続けているわ。思い出せば、いつだって会えるのよ」
「———おばあちゃん」
椅子から転げ落ちるようにさわの前にしゃがむと、そのままの勢いで抱きついた。
さわは背中を撫でる手を止めないでいてくれた。
ミケ・アンジェロはそんな二人を見守っている。何も言わずに、ただそこに立っていた。自分の役目は果たした。あとは紬自身が決断するのを待つだけだ。そう言っているようでもあった。
さわを抱きしめる視線の先に、ミケ・アンジェロの足先だけが見えている。スラックスの裾から出ている、茶色い模様の入った毛むくじゃらの足。手紙が届いた時は全てが胡散臭くて信じられなかった。でも今はとても感謝している。折角さわとミケ・アンジェロがこのような場を設けてくれた。ずっと悲しんで前へ進めなかった紬を勇気付けるために。それならば、紬はそれに応えなければいけない。そう思えた時、紬はさわから体を離す。
さわはそっと肩に手を置き、頷いた。二人で立ち上がると、さわは今度はミケ・アンジェロの隣に並んで立った。
「今度は、私が紬ちゃんを送り出すわ。だからここから、自分の意思で進んでちょうだい」
「分かった。じゃあ、行くね。今日は本当にありがとう。大好きだよ、おばあちゃん」
「私も、ずっとずっと紬ちゃんが大好きよ」
『紬様。では、今からこの店のドアを閉めるまでは前だけを向いて。決して振り返ってはいけません』
「はい。アンジェロさんも美味しいお料理をありがとう。ご馳走様でした」
紬はお礼を言うと、今度こそ二人に背を向ける。もう、さわの方を向いてはいけない。
(最初の一歩を……)
紬は自分に言い聞かせると大きく深呼吸をし、一歩前に進む。きっと今、さわは紬に手を振っているだろう。紬も振り返って大きく手を振りたい。でもそれをしてはならない。このカフェのドアを閉めるまでは、前だけを向いていなくちゃいけないのだ。
ついにドアノブに手をかける。もう一度深呼吸をすると、思い切ってそのドアを開いた。目の前はすっかり暗くなっていて、風がカサカサと辺りの木を揺らして乾いた音を奏でている。
後ろ手にドアを閉めると、夜空を見上げた。星が少し見えている。柔い光は、今の紬を慰めるには物足りない。
「はぁ……終わっちゃった……」
ため息を吐いて、ドアに凭れかかった時、驚いて思わず振り返る。すると、さっきまであったはずのカフェは跡形もなくなくなっていて、木の幹が視界に飛び込んできた。
「嘘……」
やはりさっきまでの時間は幻想だったのか……祖母の姿も思い出ご飯も、全て誰かが見せた夢だったのか。
満たされた気持ちになっていたのに、虚無に襲われる。乾いた風が紬の髪を靡かせた。帰らなければならないのに、どうしてもここから動けない。いくら大木を触っても叩いても、最後の晩餐カフェはもう二度と現れることはなかった。
「おばあちゃん、アンジェロさん!!」
呼んだところで返事が聞こえるはずもない……のだが、足元にふわりと柔らかいものが触れた。
「ニャァン」
「え? マロン!?」
聞き覚えのある声が聞こえ、自分の足元を見るとそこにいたのは飼い猫のマロンだった。事故で曲がってしまった尻尾がゆらりと揺れている。
「もしかして、本当にマロンがあのアンジェロさんだったの?」
「ニャァン」
紬の言葉に答えるようにマロンが鳴く。今度は放心状態になってしまった紬であったが、マロンがさわと再会させてくれたのであれば、それはとても嬉しいと感じた。
「マロンのお陰だと思ってもいいかな?」
「ニャァン」
「やっぱりそうだったのか。ありがとう、マロン。私は、もう大丈夫だからね。今まで元気がなくてごめんね」
マロンを抱き上げると、ゴロゴロと喉を鳴らし紬に頬をすり寄せた。これからも紬に寄り添うと言ってくれているみたいだ。マロンにも「ありがとう」を伝えると、教会を出る。
塀に沿って停めていた自転車のカゴにマロンを乗せ、ゆっくりと歩き始めた。
「お家に帰ろうか」
「ニャァン」
「ねぇ、マロン。私、決めた。おばあちゃんみたいに、誰かを支えてあげられるような料理を作る人になりたい」
明日、もう一度さわの家に行ってレシピを持って帰ろうと思った。
(おばあちゃん、最初の一歩を踏み出すからね)
一番星に誓う。
夜空の柔らかい光は、さわの優しさと良く似ていた。



