その日は、大雨警報が発令していて、バケツをひっくり返したような雨がいつもの橋の下を流れる川に大量に降り注いでいた。大荒れの川は大変危険で、水辺には近づかないよう注意喚起がされた影響もあり、人も車も普段より極端にその橋を通らなかった。 だから、誰もその現場を見ていなかった。 だから、止める人はいなかった。 川に人が落ちたのだと——橋から人が飛び降りたのだと、その場で気づいた人は誰も居なかった。