答えのない問いから正解を探すように考え込んでいるようで沈黙になる。私は言葉の続きを静かに待った。
すると、なにか分かってきたのか頭の中を整理するように口を開いて喋り始める。
「私たちって毎日何かしら選択して生きているけど、将来どうしたいかって真面目に考えて選択することの方がきっと少ない。経験のないことで選択肢を急に責められたとしてすぐには決められないから。おかしなことじゃないって思うんだ」
悩まないほうが少ない。おかしなことじゃない。
確かにそうだ。私だけじゃない。
今日を精一杯生きている知らない誰かも、何かを悩んで、苦しんでいるのかもしれない。
クラスの人たちだって、表情に出したりしていないだけでどうしたら良いのか悩んでいたりするのだ。
「つまり、分からなくても良い。こうしたいと思えるきっかけは、いつ出会えるかなんて誰も知らないから。とりあえず少しだけも考えようって思うのが大事かも」
「きっと、うん。そうだね」
さっきまで悩んでいたのに不思議と佳凪の言葉が腑に落ちた。
人生の中で分からないまま彷徨って時にもがいている時期なだけで誰だって通る道なのだ。
何をしていきたいのか、やりたいと強く思うものは状況によって変わっていく。あの時決めたからと言って、それが絶対ということではない。物事はなるようにしかならないから。
「ありがとう」
佳凪のお陰でまた元気になれそうで自然と感謝の言葉が出た。
「えっと、どういたしまして?」
「そこは疑問形にならないでよ。あははっ」
なんだか急に笑いたくなって笑っていると佳凪も一緒になって笑い始めた。
笑顔になると温かい気持ちになっていく。良い方向へ向かうような予感もしてきた。
しばらくして笑いが収まると佳凪は何か良いことをひらめき、あまり他の人に聞かれたくないようで小声で告げる。
「あっ、愛野、放課後に良いものをあげる」
「うん、分かった」
良いものとは一体なんだろうか。とっても気になって早く放課後になってほしいと思った。
穏やかな表情をする彼女には、どこかミステリアスな雰囲気があってこういうときに、ふと思い出す。
普段は忘れがちだけど、私の自慢の友達は魔法使いだということを。
すると、なにか分かってきたのか頭の中を整理するように口を開いて喋り始める。
「私たちって毎日何かしら選択して生きているけど、将来どうしたいかって真面目に考えて選択することの方がきっと少ない。経験のないことで選択肢を急に責められたとしてすぐには決められないから。おかしなことじゃないって思うんだ」
悩まないほうが少ない。おかしなことじゃない。
確かにそうだ。私だけじゃない。
今日を精一杯生きている知らない誰かも、何かを悩んで、苦しんでいるのかもしれない。
クラスの人たちだって、表情に出したりしていないだけでどうしたら良いのか悩んでいたりするのだ。
「つまり、分からなくても良い。こうしたいと思えるきっかけは、いつ出会えるかなんて誰も知らないから。とりあえず少しだけも考えようって思うのが大事かも」
「きっと、うん。そうだね」
さっきまで悩んでいたのに不思議と佳凪の言葉が腑に落ちた。
人生の中で分からないまま彷徨って時にもがいている時期なだけで誰だって通る道なのだ。
何をしていきたいのか、やりたいと強く思うものは状況によって変わっていく。あの時決めたからと言って、それが絶対ということではない。物事はなるようにしかならないから。
「ありがとう」
佳凪のお陰でまた元気になれそうで自然と感謝の言葉が出た。
「えっと、どういたしまして?」
「そこは疑問形にならないでよ。あははっ」
なんだか急に笑いたくなって笑っていると佳凪も一緒になって笑い始めた。
笑顔になると温かい気持ちになっていく。良い方向へ向かうような予感もしてきた。
しばらくして笑いが収まると佳凪は何か良いことをひらめき、あまり他の人に聞かれたくないようで小声で告げる。
「あっ、愛野、放課後に良いものをあげる」
「うん、分かった」
良いものとは一体なんだろうか。とっても気になって早く放課後になってほしいと思った。
穏やかな表情をする彼女には、どこかミステリアスな雰囲気があってこういうときに、ふと思い出す。
普段は忘れがちだけど、私の自慢の友達は魔法使いだということを。



