願い砂(ねが ずな)の魔法屋』
 それは知る人ぞ知る小さなお店。
 なんでも、不思議な力が宿った〝願い砂〟を誰かへの贈り物として買いに来る人が老若男女問わずに多いんだとか。
 売り物以外に小規模の喫茶店として経営していたり、相談事やお願いごとを書いた手紙がポストへ来ることもあり、それも可能な限り請け負うそう。
 ちょっとした魔法を使える一族のひとり祈星佳凪(きせいかな)は誰かを笑顔にできるのならと家族のお手伝いをよくしていた。
 これは、彼女のお節介やお仕事として関わった人たちとの物語。

 その一部をお届けします。