朝の空は薄い水色だった。
 新学期までにはまだ少しあるのに、廊下の掲示板はもう張り替えの準備が始まっていた。図書委員の紙箱からは新しい画鋲の銀が覗き、「街の静かな場所マップ」の周りに、誰かのメモが増えている。丸い字、尖った字、迷いながらも置いた字。どれも大げさじゃない短さで、けれど一枚一枚に体温があった。

 サエは朝一番の教室で、自分の手帳をひらいた。右上に点、短い矢印。今日の先端は、いつもより少しだけ長くした。その横に、小さく「越える」と書く。越えるといっても、なにか大きな線を飛び越えるわけではない。日常の縫い目を、針でひと目ぶん広げるくらいのことだ。

 「おはよう」
 瑞希が窓際から振り返る。
 「おはよう」
 「マップ、評判いいよ。図書室の“静かな読む場所”、昼は満席だった」
 「満席、なのに静か」
 「ね。変だよね、でも好き」
 瑞希は笑って、机に広げた画用紙をくるりと回した。「文化祭の看板、仮で置いてみた。灰色で正解だね。光で表情が変わる」

 教室の後ろで、一年の少年が朝の手伝いに来ていた。黒板消しを叩く音は出さず、布の端で粉を集める。角が立たないやり方を覚えたみたいだ。サエと目が合うと、少年は紙片をそっと掲げた。真ん中に丸だけ。そこに、鉛筆で点が一つ。中心点。置いておくだけの合図。

 ――ねえ、今日の先はどこ。
 胸の奥でルウガが小さく笑う。
 「地図の端。まだ書かれていないほう」
 ――紙の外。
 「うん。街の外じゃなくてもいい。僕らの“決めた外”の外」

     *

 午前の授業はすこし弾んで進んだ。黒板のチョークの線がきれいに途切れ、先生の声が低く落ちていく。高い笑い声がひとつ跳ねると、近くの窓の桟が受け止める。もう、刃ではない。等間隔は、自動で保てるようになっていた。

 休み時間に、担任がサエの席へ来た。
 「斎宮、あとで職員室」
 「はい」
 用件は、病院からの伝言だった。受付の看護師が「例の録音の件で」と。直接ではなく、学校伝いに届く連絡。それだけで胸の中の線がふっと張る。蛇口は動かない。黒い石に指を置く。

 昼休み。
 職員室の前の廊下は、いつもより静かだった。ドアを挟んだ向こうから、紙と紙の擦れる音がする。サエがノックすると、担任が電話のメモを渡した。
 〈病院の地域プログラム「読む時間」に空き枠が出ました。録音提供者の生徒さんに、もしよければ“声のボランティア”をお願いしたい〉
 用件はそれだけ。日程の欄には「毎週金曜夕方」とある。学校から病院までは歩いても間に合う距離だ。
 「どうする?」と担任。
 サエは、メモを両手で包んだ。
 「……行ってみます」
 声は低く、短く。けれど、迷いはなかった。

     *

 放課後。
 文化祭準備の音が教室から零れてくる。ガムテープの音、椅子の脚のこすれる気配、ペンキのふたを開ける“こぽっ”という小さな音。日常は音の集まりだ。サエは瑞希に「今日、病院へ寄る」と伝えた。瑞希は目を細くして頷く。
 「一緒に行きたいけど、看板終わらせるね。帰り、メッセージで“また”送って」
 「送る。音で」
 「音、待ってる」

 昇降口を出ると、空は夏の手前の色だった。光は強いのに、温度はまだ優しい。歩道の白線は太く、信号の音は短い。サエは橋の上で一度だけ立ち止まり、手帳の今日の矢印の先を確かめる。越える。紙の端。喉の奥の戻る矢印はちゃんと太い。帰れる。

     *

 病院の待合室は、静かで涼しかった。蛍光灯は白いが、角が落ちている。金曜の夕方の空気は、仕事帰りの人のいう「やれやれ」の温度を持っている。
 受付でプログラムの担当者の名前を告げると、背の高い看護師が出てきた。胸ポケットに、見覚えのある丸いスタンプ。尾の丸い矢印。
 「来てくれて、ありがとう」
 「こちらこそ」
 「君の録音、うちのフロアで流してる。特に夜、よく聴かれてる。今日は“読む時間”の練習。短い文を、ただ置く。それだけでいいから」

 案内されたのは、談話室の一角。絵本と短い詩集が並んでいる。机の上には小さなマイクと、手のひらサイズのスピーカー。そこに空気が溜まっているような静けさがあった。
 「最初はこの詩から」看護師が一冊を開く。「声は小さくていい。置くだけ」
 ページの左の白が広い。文字は短い行で並んでいる。
 サエは椅子に座り、喉の奥を確かめる。蛇口は動かない。黒い石をポケットの中で握る。視線は壁の角へ。任意の角、今日の角。
 息をいちど落とす。
 声を出す。

 「きみの歩幅で、きみの道をいく」

 部屋の空気が薄く震え、それが少しずつ落ち着いていく。二行目、三行目。読み終えるたび、スピーカーの前の空気にゆっくり輪が広がる。聴いている人の気配は見えない。けれど、届いている場所はわかった。病室のベッドの上、廊下の窓辺、階段の踊り場――街で探した「角」と同じ場所に、いくつも穴のように開いていた。そこへ声が置かれる。置いた声は刃にならない。輪になって残る。

 ふと、低い笑い声がどこかで混じった。
 トモの、ではない。けれど、似ていた。
 「……いい声だね」と、看護師が背中の方で囁いた。
 「ありがとうございます」
 「次回から、本番で読んでくれる? プログラム名簿、君の名前でいいかな」
 「はい」
 自分の名前を口にするのが、久しぶりだった気がした。名前は外に向けた矢印になる。胸の奥の線が少し太くなる。

 帰り際、受付の台に小さな封筒が置いてあった。丸いスタンプ。矢印の尾。差出人は書かれていない。
 〈君へ〉
 中の紙は一枚だけ。短い字が並ぶ。
 ありがとう。
 大丈夫。
 また。
 ――あの位の低さで、よかったよ。

 サエは封筒を閉じ、胸ポケットにしまった。
 ――君は、君の低さでいい。
 ルウガの声が重なる。
 「うん。戻る矢印、ちゃんと太い」

     *

 外へ出ると、空は光でも影でもない色に変わっていた。歩道を歩く人の靴音が一定で、遠くのバスが交差点で停まる。その短い音のすべてが、今日だけすべらかに聞こえる。
 橋の上に差しかかると、川面の一部が風でざわつき、光が矢印を作っていた。スマートフォンに短いメッセージ。
 〈どうだった?〉
 瑞希だ。
〈よかった。読む時間、来週から本番〉
〈すごい。録音、あとでちょうだい〉
〈送る。無言も〉
〈無言の“また”ね〉
〈うん〉

 返信を送ってから、サエはしばらく川を見ていた。闇はまだ薄い。金曜日の街は騒がしいけれど、騒がしさの角が少ない。通りすがりの若い子たちの笑い声が高く上がっても、すぐ落ちる。落ちる場所が用意されている。街じゅうに、誰かの置いた丸い受け皿が増えたみたいだ。

     *

 家に着くと、瓶の水は底が見えるほどに減っていた。花は紙のような軽さになり、触れれば崩れそうだ。黒い石は冷たく、しかし表面の金の粒が前よりはっきりしている。
 サエは瓶の位置を窓際から机の真ん中へ移した。真ん中、というだけで安心することがある。安定ではなく、ただの“中心”。
 レコーダーを起動して、短いトラックをひとつ作る。今日の「読む時間」から、最初の二行だけ切り出した。
 きみの歩幅で、きみの道をいく。
 息の音をあえて残し、部屋の空気の輪もそのままに。
 添えるように、最後に無言の「また」を置く。
 転送。送信先は名前のないアカウント。画面の送信マークが薄く震え、静かに止まった。

 机に肘をついて、サエは目を閉じる。
 ――ここまで来たら、“戻らない”も選べる。
 ルウガの声は、いつもより低かった。
 「戻らない?」
 ――怖かったら、戻ればいい。怖くなかったら、外に出ればいい。
 「外は、どこ?」
――地図の端。紙の外。君が書く。
 サエは目を開け、手帳の矢印を見た。先端は紙の外へ少し出ている。出しても紙は破れない。世界の紙は、思っていたより丈夫だ。

     *

 土曜日。
 商店街の夏祭りが本番を迎えた。提灯に灯が入り、まだ空の明るいうちから屋台の列が伸びる。太鼓の音は低い輪で、人混みの熱を地面に落とす。
 静かな場所マップを手にした子どもが親と一緒に丸を見つけて歩いているのが、あちこちで見えた。木箱の角、ベンチの端、文房具店の棚。丸に点が描かれた紙をそれぞれが持って、それぞれの胸のどこかに中心点が置かれているのが分かる。

 瑞希と並んで歩く。
 「ねえ、看板、間に合ったよ」と瑞希。
 「灰色、評判?」
 「“さりげないのがいい”って。あとで見て」
 「見る。音でも撮る」
 「音、撮るのうまいよね。写真みたいに、あとで“見返せる”音」
 「音も、目に届く」
 「サエの口癖」
 瑞希は笑って、紙スプーンでかき氷を砕いた。透明なシャリ、短い高音。すぐに溶ける。

 ステージの横で、地元FMの公開収録が始まる。パーソナリティのマイクは高いが、エンジニアの手で角が落ちる。観客の拍手に、太鼓のうねりが重なる。サエは喉の奥に戻る矢印を太くし、肩の力を抜いた。街が“音を扱う”のが上手くなっている。誰かの技術のうえに、誰かの気づきが重なっている。

 日が落ち、空の色が群青に変わる。河川敷のほうで小さな花火の試し打ちがあった。音は低い。空に輪が咲いて、風がそれをゆっくり崩す。
 そのとき、横から小さな袖の感触があった。一年の少年だ。人混みに少し圧されている。サエは声を出さず、ベンチの端を指さした。そこへ視線を置く。少年は頷き、そこに立って背中を少し伸ばす。
 「……だいじょうぶ」
 口の形だけ。
 「うん」
 サエも口の形だけ。声を出さない会話は、会話の前よりも近い。

 ステージで、合唱部がサプライズの一曲を歌い始めた。瑞希が前に出て、目だけで「行って」と言う。サエは人の輪の後ろ側、低音が最も広がる位置に立った。声を出す。置く。押し出さない。
 ありがとう。
 大丈夫。
 また。
 歌詞に入っていない三語を、曲の空白に合わせて自分の中だけで並べる。重なりの形が、夏の夜の空にひとつ伸びた。

 最後のフレーズは、無言のまま終わった。指揮者が拳をほどく。観客のざわめきの前に一瞬の透明な空白ができ、花火の低い音がそこに落ちる。まるで合図のように、街のどこかで小さな灯りがひとつ灯った。
 拍手。短い。けれど厚い。
 瑞希が舞台から戻ってくると、汗で濡れたこめかみに髪が貼りついていた。
 「今の、送ろうね」
「うん。録ってあるよ」
「“音の写真”、喜ぶかな」
「喜ぶ」
「誰が?」
「みんな。君も、僕も、あの人も」
 瑞希は笑って、サエの肩をこつんと叩いた。軽い音。刃じゃない。

     *

 帰り道。
 橋の上で、いつもより人が立ち止まっていた。風が収まり、川面が鏡みたいに街の灯を返している。スマートフォンを向ける人たちの中で、サエはポケットから黒い石だけを取り出した。掌の中の冷たさが、胸の奥のあたたかさを静かに輪郭づける。

 短い録音をひとつ作る。祭りのざわめきの最後の「無言」、そのすぐあとの花火の低い一打、そして川の息。三つを並べるだけ。文字ではなく、置かれた音の順番。
 〈音の写真〉とだけタイトルを打って送る。
 返信はすぐには来ない。来なくていい。受け取られる場所は、もうこちらで決められない。紙の外に置いた矢印は、戻らないほうが正しいときもある。

 「ねえ、サエ」
 瑞希が欄干にもたれて、夜風を吸い込んだ。
「うん」
「わたし、サエが“読む時間”で読むの、聴きに行ってもいい?」
「お客さんとして?」
「合図として」
「合図」
「うん。声を“置きに”行く。聴くのは、その次」
サエは頷いた。喉の奥の戻る矢印が、わずかに太くなる。心強い線。

     *

 日曜。
 朝の匂いは昨日より軽かった。サエは洗濯をして、部屋のカーテンを開け放った。瓶の水はほとんどなく、底のガラスが光を返している。花の影はもう形だけで、紙の粉のように脆い。黒い石は指先で少しずつ温まって、表面の金の粒が一粒、はっきりと見えた。

 昼過ぎ、スマートフォンが一度だけ震えた。
 〈聴いた。静かな夏の音。ありがとう。大丈夫。また〉
 丸のついた三行。それだけ。送り主の名前は出ない。けれど、戻る矢印の向こう側で確かに誰かが笑っているのが分かった。
 ――受け取られた。
 ルウガの声が淡く降りる。
 「うん。紙の外でも、線はつながる」

 机に向かい、手帳をひらく。
 今日の点から伸ばした矢印は、紙の外へ一センチ。そこにまた小さく「越える」と書く。昨日と同じ線じゃない。同じ方向でもない。毎日、少しずつ違う外。
 ペン先を止めると、胸の奥に短い空白ができた。そこが、今の自分の「間」だ。
 「ありがとう」
 「大丈夫」
 「また」
 無言で置く。置くだけで、空白が輪になる。輪になった空白は、次の誰かの言葉を受け入れる余白になる。

     *

 夕方。
 瑞希からメッセージが届いた。
 〈来週、図書室で“読む時間”の公開回をやるんだって。希望者だけ、一般生徒と保護者に開放するって〉
 〈来てくれる?〉とサエ。
 〈むしろ司会やる〉
 〈司会〉
 〈無言も司会する〉
 〈難易度たかい〉
 〈好きでしょ、そういうの〉
 〈好き〉
 二人で笑いの絵文字を使わないで笑った。文字がなくても、笑いは伝わる。今の等間隔の上なら。

 窓の外の空は、光でも影でもない時間に入っていた。ベランダの風鈴は鳴らず、代わりに遠くの電車が低い音を残す。町内放送のメロディが一度だけ流れ、角のない夕暮れが街に降りた。
 サエは机を片づけ、レコーダーを小さな袋に入れた。病院で読む文を選び、二、三度、喉の奥で低さを確かめる。怖さはない。怖さの手前に「置く」がある。置けるかぎり、声は刃にならない。

     *

 月曜日の朝。
 掲示板の「街の静かな場所マップ」は新しい紙に引き継がれていた。誰かが縮尺を直し、凡例をつけ、問い合わせのカードを留めた。管理へと整える“手”もまた、街の合図だ。
 瑞希が新しい画鋲を差しながら言う。
 「ねえ、次のページ、どうする?」
 「地図の外のページ」
「白紙?」
「ううん。白紙の真ん中に、点だけ置く」
「中心点」
「そこに、誰かが矢印を足す」
瑞希は頷き、白い余白を指で撫でた。「誰でも持ってていい、外のページ」

 ホームルームで、担任が短く告知をした。「今週金曜、図書室で“読む時間”公開回。静かに聴ける人だけ、どうぞ」
 教室の空気がほんの少し、やわらかくなる。拍手は起きない。誰も騒がない。ただ、空気の密度が変わる。
 サエは喉の奥で低さを確かめ、胸の左の方角を開いた。
 ――地図の端を越えたら、戻れない?
 ルウガが尋ねるふうに言う。
「戻れる。戻る矢印は、僕の喉の奥にある」
――太さは?
「じゅうぶん。昨日より少し太い」
――行けるね。
「行く」

     *

 金曜。
 図書室の照明は黄色で、椅子は低い。来客用の名札が配られ、入口の横に「声の置き方」の小さな案内が置かれている。
ひとつ、ありがとう。
ひとつ、大丈夫。
ひとつ、また。
どれも無言で、置いてください。
 その紙は角が丸く、文字は短く、余白が広かった。

 瑞希が前に出て、軽く頭を下げる。司会と言っても、ほとんど言葉を使わない。開会の合図を目で送り、サエに視線を渡す。
 マイクは使わない。小さなスピーカーだけが机の上に置かれて、灯りは弱い。
 サエは最初の頁をひらき、息をいちど落とす。
 「きみの歩幅で、きみの道をいく」
 声は低く、短く、置かれた。
 「ありがとう」
 「大丈夫」
 「また」
 読みではない三語を、間にそっと編み込む。声にはしない。空気だけが受け取る。

 ページをめくるごとに、椅子の上の人々の肩がすこしずつ下がっていく。誰かの指先が膝の上で丸くなり、誰かの目元がほどけ、誰かの呼吸が遅くなる。声は誰にも当たらず、誰もの前に置かれる。
 最後の頁まで読んで、瑞希が拳をほどく。無言の「また」。
 その無言が、ほんの短い風を起こした気がした。書架の端の栞が一枚だけふるえ、誰かの胸の奥で戻る矢印が太くなる音が、確かにあった。

 終わったあと、拍手は起きなかった。代わりに、椅子の足音がゆっくり動いて、空気が立ち上がる音がした。
 「……よかった」と誰かが低く言い、その言葉は刃にならず、床に置かれて広がる。
 入口の脇で、背の高い看護師が立っているのを見つけた。胸ポケットの矢印が小さく光る。
 「ありがとう」と看護師は口だけで言い、胸の前で指を丸くした。
 合図。受け取る。置く。返す。
 それだけの往復で、十分だった。

     *

 夜。
 帰り道の橋の上で、サエは立ち止まった。
 水は暗く、風は弱い。街の灯は点と点で、見えない線でつながっている。
 黒い石を掌で包み、瓶の底の金の粒を思い浮かべる。
 紙の外に出た矢印は、どこへ行くのだろう。
 ――外には終点がない。
 ルウガの声は静かだ。
 「じゃあ、いつでも折り返せる」
 ――うん。折り返しても、線は消えない。
 「残響になる」
 ――そう。
 「それが“また”の正体」
 ――最初の日から、君はそれをやってた。気づかなかっただけ。

 サエは喉の奥で低く言う。
 ありがとう。
 大丈夫。
 また。
 声は短く、風に混ざって、どこかの角に置かれる。置かれた声は、今夜も誰かの等間隔をすこしだけ支える。
 橋の反対側から、小さな合図が返ってきた。声ではなく、足音でもなく、風でもない。目にだけ見える合図。
 中心点がひとつ、灯った。

 地図の端は、まだ先にある。
 紙の外は、思っていたよりも広い。
 でも、怖くはない。
 戻る矢印は、喉の奥でちゃんと太かった。

 サエは歩き出した。
 今日も、等間隔の上を。
 そして、その先で――
 何度でも「また」と言える場所まで。