＊うぶな関西弁後輩×訳あり先輩＊

神様が俺に下した使命。
それは、結弦（ゆづる）先輩の笑顔を取り戻すことや！

中三のとき、関西から東京に転校してきた凪（なぎ）。
関西弁が抜けず、そのせいでクラスになじめず、つらい日々を送っていた。

そんなある日、通学電車で見かけた、まばゆい笑顔の高校生に凪は心を奪われる。

「あの人、めちゃくちゃカッコええ。特に笑った顔。あれはあかん、反則や」

あの人の笑顔に会えると思えば、行きたくない学校も苦にならない。
救われるような気持ちで、凪は毎朝電車に乗り続けた。

やがて、彼が二つ年上の高校生だと知り、同じ高校へ進学する。
──けれど、いくら探しても先輩の姿は見つからない。

逸る気持ちを抑えきれないまま、ようやく見つけた先輩は、かつての輝く笑顔を失っていた。
理由は分からない。けれど、自分を救ってくれたあの笑顔をもう一度見たい──。

拙いながらも、凪は少しずつ先輩の心に寄り添い、向き合っていく。

まだ甘くなりきらない想いが、止まっていた先輩の時間を動かし始める。
ピュアな高校生の、恋愛的成熟物語です。

楽しんでいただければうれしいです。
よろしくお願いします。