「きゃああああっ!!!!」
誰かが声をあげた。大声だった。
呆然と立ち尽くす私を、ゆるゆると揺さぶった。
「警察!!きゅ、救急車!!!」
「女の子が飛び降りたぞーっ!!」


ボロボロの上靴。真っ赤な制服のシャツ。
人生の中で、味わったことのない恐怖が、私を襲う。
「どいてください!!」
いつの間にか救急車のサイレンがすぐ近くにあって、原形の無い彼女を、男の人が白い布で優しく包んだ。
――すべてが崩れた音がした。