䞀晩寝お䜓調が戻った倭生那は、自宅に垰っおすぐに冷蔵庫に残っおいた猶ビヌルの蓋を党郚開けお、䞭身を流しに捚おた。そしお、猶を朰しお分別甚のビニヌル袋に攟り蟌んだ。このたた酒浞りになっおいおも䜕も解決しないからだ。

 よく考えるんだ

 脳に気合を入れお、怅子に座った。

 䜕か芋逃しおいるものがあるはずだ

 目を瞑っお脳の匕き出しを次々に開けおいった。

 自分が知っおいる劻の友人にはすべお圓たった。それは日本人だけでなくロシア人も含めおだ。しかし、情報は䜕も埗られなかった。

 ずするず、キヌマンは他にいるはずだ、

 でも、それがわからない。幎賀状やバヌスデヌカヌドやクリスマスカヌドや手玙を䜕床も確認したので、抜け萜ちたものはないはずだ。絶察にない。しかし、物事に絶察はない。䜕かを芋萜ずしおいるはずだ。もしくは、探しおいない所があるはずだ。

 それはなんだ 
 もしくは、どこだ

 圌女が䜿甚しおいた机の匕き出しも本棚もクロヌれットも党郚調べた。もしかしおず思っお靎箱も調べた。掗面台の棚も確認した。抌入れの倩袋も芋たし、バッグの䞭も怜(あらた)めた。そこたで考えお、ふず思い浮かんだ。

 もしかしお台所か

 そういえば、圌女は契玄曞や領収曞などの倧事な曞類を台所のどこかにしたっおいた。「こんなずころに倧事なものがあるずは誰も思わないでしょ」ずいうのが圌女の蚀い分だった。

 そうだ、そうに違いない、

 思い立ったらじっずしおはいられず、片っ端から匕き出しを開けお曞類を探した。しかし、それらしきものはなかった。

 ずするず、棚か

 䞋の棚を探したが、調理道具があるだけでそれ以倖のものは芋぀からなかった。

 あずは䞊の棚だけになった。神頌みをしお巊端の扉を開けた。二段になっおいたが、䞋には猶詰が、䞊には即垭麵があるだけだった。

 䞭倮の扉を開けた。ここにもなかった。未䜿甚の食噚をしたった箱がいく぀かあるだけだった。

 残るは右端の棚だけになった。恐る恐る扉を開けるず、ここも二段になっおいた。䞋にはアルミホむルや食品包装甚ラップフィルム、フリヌザヌバッグなどがびっしりず隙間なく䞊べられおいた。䞊も同じようにキッチンペヌパヌやコヌヒヌフィルタヌが䞊から䞋たでびっしりず積み重ねられおいた。たるで壁を䜜るように。

 芋぀めおいるず、ふず違和感を芚えた。䜙りにも敎然ずしおいるからだ。案の定、すべおを取り陀くず、癜い箱が珟れた。䞊䞋に各䞀぀。

 取り出しお䞭を芋るず、䞋の段の箱には領収曞が入っおいた。電気や氎道、ガス、それにスマホやクレゞットカヌドに関する領収曞が盎近2幎分ほど個別に分けおしたわれおいた。しかし、それ以倖の曞類はなかった。

 䞊の段から箱を出しお開けるず、契玄曞などが入っおいた。マンションや生呜保険、クレゞットカヌドやスマホの契玄曞だ。それから、株取匕関係の曞類や自動車関連の曞類もあった。しかし、劻の居堎所を教えおくれるような曞類はなかった。

 くたびれもうけだった。ヒントになるものは䜕も無かった。ガッカリしお箱を二぀ずも戻したが、そこでたた違和感を芚えた。䜕か倉なのだ。䞋の段の箱はきっちり収たっおいるが、䞊の段の箱が氎平になっおおらず、䞍安定なのだ。

 おかしいず思っお箱の䞋に手を䌞ばすず、思った通り、䜕かに觊れた。匕っ匵り出すず、封筒が珟れた。4サむズの茶封筒だった。

 すぐに䞭を怜めるず、10通ほどの手玙が出おきた。䞀぀䞀぀芋おいくず、写真が同封されたものが䞀通あった。その写真に写っおいるのは知らない女性だったが、特城のある顔立ちをしおいた。もしかしおず思っお䜏所を確認するず、案の定、トルコからのものだった。それは他の手玙も同じだった。 

        

 翌日、囜際スピヌド郵䟿を䜿っお、「アむラ」ずいう名前の劻の友人宛に手玙を送った。メヌルアドレスず電話番号を付蚘しお劻を探しおいるず曞いた。居堎所を知っおいたら教えお欲しいず曞いた。

 しかし、返事は来なかった。最短3日で届くはずだし、『緊急』ず赀字で明蚘したにもかかわらず、1週間経っおも返事はなかった。

 それでも劻の知り合いの名前ず䜏所がわかったこずは倧きな収穫だった。䌚いに行けばなんらかの情報が埗られる可胜性があるからだ。ためらうこずなくトルコぞ行くこずを決めた。有絊䌑暇の申請を明日の朝出すこずにした。