ある日、散歩をしていると小さな公園が見えてきました。 そこには、ベンチに座る小さな女の子がいて、膝の上には本がありました。 でも、読んでいませんでした。 同い年くらいの女の子を目で追っていました。 誰か声をかけてくれないかな、 誰か遊んでくれないかな、 そんなふうに見つめていました。 もしかして、仲間外れになっているのではないか？ もしかして、虐められているのではないか？ そう思った瞬間、物語が始まりました。 そして、書き進めていくうちに、 教育の本質に迫りたいと考えるようになりました。 ・生徒が主役の学校ってどんな学校だろう？ ・生徒が輝ける授業ってどんな授業だろう？ そう思ったのです。 すると、単純なことに思い至りました。 大好きなことをしている時が一番楽しいと。 だったら、そういう学校があったらいいのではないか、 そういう授業があったらいいのではないか、 そうなんです。大好きなことを存分にできる学校があればいいんです。 そんな授業があればいいんです。 それを物語の中で紡（つむ）いでいきました。

小説家を招いた講演会が始まるのを待っていた時、 隣に座る女性のブーツに目がいきました。 とてもきれいな色でした。 わたしは思わず吸い込まれそうになりました。 講演会のテーマは「異化」でした。 異なるものに化けるというお話でした。 それを聞き終わった時、物語が始まりました。 わたしが靴箱の中に入るのに時間はかかりませんでした。

ロシアによるウクライナ侵攻が始まった日、 世界の秩序が壊れました。 国連の常任理事国が重大なルール違反を犯したのです。 でも、わたしにできることは何もありませんでした。 それでも、傍観することはダメだと思いました。 それで、『ペンは剣よりも強し！』を信じてメッセージを発信することにしました。 主人公は日本在住のロシア人女性です。 彼女はプーチンと同じ血が流れていることを嫌悪し、全血交換したいと思いました。 しかし、そんなことはできるはずがなく、 せめて償いだけはしたいと、戦地へと向かいます。 悲愴な覚悟を持ってウクライナへ飛び込んだ彼女の心の叫びを聞いてください。 　　　＊　　＊ 何故、わたしはロシア人なの？ 何故、プーチンと同じ血が流れているの？ 何故、ロシアはウクライナを攻撃しているの？ 何故、ロシア軍はウクライナ人を殺しているの？ 何故、誰もプーチンを止められないの？ 何故？　何故？？　何故？？？

お母さんのお腹の中にいた時のことを覚えていますか？ 初めは卵子でした。 そして受精卵になり、胎児になり、赤ちゃんとして生まれました。 それは、奇跡とも呼べる進化と退化の旅でした。 わたしたちは地球46億年の記憶を背負って生まれてきたのです。

ホテルでのイベントが終わって帰る途中にラウンジの裏側を通った時、 大好きなメロディが聞こえてきました。 ピアノを弾いていたのは髪の長い女性でした。 しかし、弾き終わっても拍手は聞こえてきませんでした。 誰も聞いていなかったのです。 わたしはたまらなくなって、後姿に拍手を送りました。 すると、ピアニストは振り向いて、はにかむような笑みを返してくれました。 その瞬間、物語が始まりました。 辛くて、切なくて、でも、明日への希望に満ちた物語になったのではないかと思います。 　　＊　　＊ 虹が見える。 音符が空を上っていく。 ♪What a wonderful world♪ 明日はいいことがありますように‼