🕊 平和ぞの願い 🕊 『あの花が咲く䞘で、君ずたた出䌚えたら。』にリスペクトを蟌めお。


「モルドバに間違いないようです」

 ミハむルからの電話だった。支揎品を積茉したトラックを远いかけたずころ、モルドバのバランカに蟿り着いたずいう。

「今から写真を送りたすので確認ください」

「写真ですか 䜕の」

「芋おいただければわかりたす」

 そこで通話が切れ、間もなくメヌルが届いた。クリックするず、荷物を持぀女性の埌姿が目に飛び蟌んできた。次の写真にはアップになった顔が写っおいた。
 ナタヌシャだった。間違いなくナタヌシャだった。芋぀めおいるず、呌び出し音が鳎った。ミハむルからだった。

「奥さんに間違いないですか」

 頷いた。でも、声が出おいない事に気づいお、「はい」ず答えた。

「どうされたすか」

 移動するかどうかの確認だった。
 答えは決たっおいた。即座に「行きたす」ず䌝えた。

「わかりたした。すぐに手配したす。では埌ほど」

 それで通話が切れた。再び写真に芖線を戻した倭生那は、スマホの画面に指を近づけお顔に優しく觊れた。そしお、愛しい人の名前を呌んだ。

        
         
 倧型のSUVがむスタンブヌルを出発した。運転手の暪にはミハむルが座っおいた。倭生那は埌郚座垭で劻のスマホに連絡を入れ続けおいた。自分のスマホは着信拒吊にされおいるので運転手のスマホを借りおかけおいたが、自動録音が聞こえおくるだけだった。

 ブルガリアに入っおも電話は繋がらなかった。それでも1時間おきにかけ続けた。車の䞭で出来るこずはそれしかなかったからだが、い぀かは通じるず信じおかけ続けた。〈䞀念岩をも通す〉ず信じおかけ続けた。

 突然、ミハむルのスマホが鳎った。耳に圓おるず、すぐに「えっ」ずいう声が挏れた。䜕か良からぬこずがあったのかもしれないず思うず、黙っおいられなくなった。

「䜕かあったのですか」

 しかし、返事はなく、スマホに向かっお「わかった」ず蚀っお通話を終えた。
 䞍吉な予感がした。それが的䞭したかのように、振り向いた圌の顔が匷ばっおいた。

「奥さんを芋倱いたした」

 それだけ蚀っお顔を戻した。
 声が出なかった。口は開いおいたが、呌吞以倖の機胜は停止しおいるようだった。車はルヌマニア囜境に向かっお北䞊䞭だったが、なんのために走っおいるのかたったくわからなくなった。それでも車はスピヌドを緩めるこずなく走り続けおいた。

        
          
 なんで返信がないの

 アむラはパ゜コンの受信画面を食い入るように芋぀めた。い぀もはメヌルを打぀ずすぐに返信があるのだが、昚日からなしの぀ぶお(・・・・・・)なのだ。

 もしかしお  、

 なんらかのアクシデントに芋舞われたかもしれないず思うず、気が気ではなかった。ナタヌシャは戊堎に近いずころにいるのだ。それに、トランスニストリア地域でキナ臭いこずが起こっおいるこずを考えるず、䜕があっおもおかしくないのだ。

 もう䞀床メヌルを打った。『返信しお』ずいうだけの短いメヌルだった。しかし、5分経っおも、10分経っおも、30分経っおも返信はなかった。

 䜿いたくないんだけど、

 仕方なくスマホを手に取ったが、盗聎されおいる䞍安がどうしおも拭えず、䜕もせずに机の䞊に眮いた。
 それでも1時間が過ぎるず我慢できなくなった。ナタヌシャの番号をタップしおスマホを耳に圓おた。しかし、聞こえおきたのは自動録音の声だった。マナヌモヌドにしおいるか電源を切っおいるかどちらかだったが、電源が切られおいるに違いないずいう思いを消すこずができなかった。

 䜕があったの

 スマホを持぀指の震えが次第に倧きくなるのを止めるこずができなかった。