そんな私の気持ちに気づいたのか、アムール様は抱えていた木の枝を下ろすと、そっと私を抱きしめてくれた。
「レーツェル、そんな思い詰めた顔をするな。お前のせいだなんて、誰も思っていない。もしブラッドがそんなことを少しでも口にしたら、俺があいつをぶん殴ってやる」
「それは……ブラッドが可哀想ですね」
そう言って、私はくすりと笑いながら、アムール様の背中にそっと腕を回した。
「アムール様、でしたらブラッドが戻ってくるまでは、起きていても大丈夫でしょうか?」
「あいつが帰ってくるまでか?」
「はい。ブラッドが無事に戻ってきた姿を確認してから、寝ることにします。彼も、そんなに遅くはならないと言っていましたし」
ブラッドは先ほど、この場所から少し離れたところで、不思議な魔力を感じたと言っていた。それは、悪魔たちが放つ魔力とはまた違うものらしい。
私たちも一緒に行こうと話したのだけれど、もう夜も遅かったこともあり、ブラッドは「すぐに戻るから」と言い残して、一人で出かけてしまったのだ。
彼がそう言っていたとはいえ、やはり心配だった。だからこそ、せめて無事に戻ってきた姿を見届けてから眠りたいと思ったのだ。
アムール様は腕を組み、深く考え込んでいた。
どうやら、私を早く寝かせるべきか、それともブラッドが戻ってくるまで一緒に話をして過ごすべきか、悩んでいるようだった。
私のことを気遣ってくれる彼の姿が愛おしく思えて、私はそっと微笑んだ。
「……はぁ、分かった。あいつが帰ってきたら、すぐに寝るんだぞ」
その言葉を聞いた途端、私はぱあっと笑顔になった。
「はい! ありがとうございます、アムール様」
「……っ。くそ、お前には敵わないな」
アムール様はそう言いながらも、私を慈しむような眼差しで見つめていた。先ほど地面に下ろした木の枝をもう一度抱え直すと、空いている方の手で私の手をそっと握った。
「それじゃあ、ゆっくり天幕に戻ろうか。転んだりしたら危ないからな。その道中で、お前が俺に聞かせたい話を聞かせてくれ」
「分かりました、アムール様。アムール様が転びそうになったら、倒れないように精一杯お支えしますね」
「それは俺の仕事だろ?」
そう言って、私たちは互いに顔を見合わせ、微笑み合った。
アムール様に手を引かれながら、私はゆっくりと夜道を歩いていた。
「……アムール様」
「ん?」
私が優しく名前を呼ぶと、アムール様はいつものように優しい眼差しを向けてくれた。
そんなアムール様が大好きで、どうしようもなく愛おしかった。
「アムール様、こうして一緒に歩く時間が……私はとても大好きです」
「えっ……」
アムール様は少し驚いたように目を見開くと、足を止めてじっと私を見つめた。
「以前にもお話ししましたが、私はアムール様と一緒にいる時間が、本当に大好きなんです。あなたの隣にいるだけで、愛おしいという気持ちが、胸の奥からどんどん湧き上がってくるんです」
そう伝えると、アムール様の顔はみるみる赤くなっていった。
今夜は涼しい夜風が吹いている。それなのに、アムール様の周りだけは、夜風とは違う温かな空気に包まれているように感じられた。
「レーツェル、そんな思い詰めた顔をするな。お前のせいだなんて、誰も思っていない。もしブラッドがそんなことを少しでも口にしたら、俺があいつをぶん殴ってやる」
「それは……ブラッドが可哀想ですね」
そう言って、私はくすりと笑いながら、アムール様の背中にそっと腕を回した。
「アムール様、でしたらブラッドが戻ってくるまでは、起きていても大丈夫でしょうか?」
「あいつが帰ってくるまでか?」
「はい。ブラッドが無事に戻ってきた姿を確認してから、寝ることにします。彼も、そんなに遅くはならないと言っていましたし」
ブラッドは先ほど、この場所から少し離れたところで、不思議な魔力を感じたと言っていた。それは、悪魔たちが放つ魔力とはまた違うものらしい。
私たちも一緒に行こうと話したのだけれど、もう夜も遅かったこともあり、ブラッドは「すぐに戻るから」と言い残して、一人で出かけてしまったのだ。
彼がそう言っていたとはいえ、やはり心配だった。だからこそ、せめて無事に戻ってきた姿を見届けてから眠りたいと思ったのだ。
アムール様は腕を組み、深く考え込んでいた。
どうやら、私を早く寝かせるべきか、それともブラッドが戻ってくるまで一緒に話をして過ごすべきか、悩んでいるようだった。
私のことを気遣ってくれる彼の姿が愛おしく思えて、私はそっと微笑んだ。
「……はぁ、分かった。あいつが帰ってきたら、すぐに寝るんだぞ」
その言葉を聞いた途端、私はぱあっと笑顔になった。
「はい! ありがとうございます、アムール様」
「……っ。くそ、お前には敵わないな」
アムール様はそう言いながらも、私を慈しむような眼差しで見つめていた。先ほど地面に下ろした木の枝をもう一度抱え直すと、空いている方の手で私の手をそっと握った。
「それじゃあ、ゆっくり天幕に戻ろうか。転んだりしたら危ないからな。その道中で、お前が俺に聞かせたい話を聞かせてくれ」
「分かりました、アムール様。アムール様が転びそうになったら、倒れないように精一杯お支えしますね」
「それは俺の仕事だろ?」
そう言って、私たちは互いに顔を見合わせ、微笑み合った。
アムール様に手を引かれながら、私はゆっくりと夜道を歩いていた。
「……アムール様」
「ん?」
私が優しく名前を呼ぶと、アムール様はいつものように優しい眼差しを向けてくれた。
そんなアムール様が大好きで、どうしようもなく愛おしかった。
「アムール様、こうして一緒に歩く時間が……私はとても大好きです」
「えっ……」
アムール様は少し驚いたように目を見開くと、足を止めてじっと私を見つめた。
「以前にもお話ししましたが、私はアムール様と一緒にいる時間が、本当に大好きなんです。あなたの隣にいるだけで、愛おしいという気持ちが、胸の奥からどんどん湧き上がってくるんです」
そう伝えると、アムール様の顔はみるみる赤くなっていった。
今夜は涼しい夜風が吹いている。それなのに、アムール様の周りだけは、夜風とは違う温かな空気に包まれているように感じられた。



