女社長の中宮、後宮物語!〜美姫の後宮恋愛溺愛友情噺〜

そうして神海は何も言わずに降りて行った。
そうして唐車に私一人だけになってしまった。
牛飼の少年は農家の出身らしく「貧民」と呼ばれる人が着る服を着ていた。
「頭を下げていただきとうございます!」
えっ、なになに?
神海よりもよっぽどきっちりとした身なりをしたお金持ちそうな仕え人が現れた。
「今上帝のお出ましでございます、飛香舎中宮(ひぎょうしゃのちゅうぐう)
私が戸惑っていることを察してくれたのかその仕え人は唐車の外から深くお辞儀をした。
「は、、、でございま、、、、よろしゅうございます!」
つい令和の言葉で返事をしてしまった。この時代ではこういう時、よろしゅうございますと深くお辞儀をするのが礼儀。
「もういい」
その柔らかに包み込むような声で全員が頭を上げたのが分かった。私も浮かないようにそうする。
「そちらが飛香舎の中宮?(さく)
柔らかに包み込むような声に私は驚いた。
「あの、、、、今日から飛香舎(ひぎょうしゃ)となります藤原星華にございます」
一応畏まった挨拶はしたけど、、、周りの反応からすれば偉い人だろうけど、、、、だれ?誰なの。意味不明。
「そんなに畏まらなくて大丈夫。僕は風来(ふうら)。周りからは金城亭って呼ばれてる平安京の帝だよ。僕のことは風来って呼んで。僕も星華って呼ぶから」
はい?そんなことしていいの。誰もが左遷や暗殺を恐れ服従する今上帝ですよね?本名を教え合うぐらいはまだ妥当の範囲内、、、、けれど本名で呼ぶって愛人じゃなくって中宮でしょ?中宮っていうのは身分が高くて美しい見せかけの妃でしょ。ありえな、、、
「別に星華を軽々しく扱ってるわけじゃない。僕が名前で呼ぶことを許すのは星華だけ。いいでしょ」
本当はこんなこと受け入れられない。けれどきんじょうて、、、、風来にこんな目で見つめられたら断れない。
「分かりました」
「別に敬語使わなくていいから。むしろやめて?」
命令していい立場なのに風来は命令をしない。質問というかお願いといった感じ。それが私に好感を持たせた。