女社長の中宮、後宮物語!〜美姫の後宮恋愛溺愛友情噺〜

そうして私と神海だけをのせた唐車は出発していった。ちなみに歌式部とか他の女房は別の唐車。下々と呼ばれるような女房にも唐車に乗らせるところが如何にも「中宮」という感じがする。
私も今日から頑張らなきゃ。今上帝にはまだ皇子がおられない。紅莉栖は今上帝に隠していただけで実は、、、、子供ができない病気。今、後宮での流行り病で「無子病」とも呼ばれている。そのことを知らないのは今上帝ご本人だけ。
「そろそろ着くんじゃない?」
聞かれないことを確認しつつも神海は私の隣で耳打ちする。後宮がよっぽど楽しみらしい。私自身は後宮に然程期待していない。紅莉栖の話を聞くに恨みとかが酷くって濡れ衣はいろんな女御がいろんな更衣・女御に着せてるらしい。その点更衣は力がないらしい。でも私は違う。中宮。中宮は正式な妃。後宮では今上帝の次に権力を持っている。今は弘徽殿の女御と呼ばれる方が権力を裏で握っているらしい。
「あそこが大内裏の入り口でございます」
牛飼の少年が遠くを指差す。そのまま、唐車は進んで行った。
桃花殿中宮(とうかでんのちゅうぐう)、万歳!万歳!」
大内裏に入っていくにつれ、周りは騒がしくなっていく。
恥ずかしい。中宮になればこんなの当たり前なはずなのに恥ずかしい。まるで私が嘘をついて中宮のフリをしているみたい。
これは令和の人には分からないのかもね。平等じゃないしそもそもあそこで「万歳」だの言ってる人って本当に祝ってるのかよく分からない。もしかしたらそこの女子は今上帝が好きで私を恨んでいるかもしれない。あーあ。この階級社会、嫌い。
「神海女房頭は桃花殿の偵察にお降り下さい」