女社長の中宮、後宮物語!〜美姫の後宮恋愛溺愛友情噺〜

「ああ、たとえ相手が今上帝だとしても儂は愛娘を渡すのが惜しいよお」
阿羅はそう言う。普段はこんな発言、、、しないことがいいと思うけど。
100歩譲って「普段」とは違う結婚式だとしてもせめて「ああ、相手はこんなに素晴らしい方だ。それでも愛娘は可愛い。ああ、渡すのが惜しい。けれどいつまでも束縛してはいられない。元気でやっていけ」ぐらいにした方がいいと思う。
ちなみにこれはお得意さんの社長の息女さんの結婚式で社長が言った言葉。
社長の家は出世競争が激しくて仲が悪いと思われがちだけどそんなこともなかった。そうはっきり言えるようになった瞬間(とき)でもある。
「はあ?お前の娘じゃないんだから惜しくなんな。星華は儂と菜花姫の娘なんだ」
藤原沖人はそう騒ぐ。あーもう最後まで落ち着かないわね。
「もうよろしくってよ。私は今日から藤原家又は右大臣家の娘から中宮になるの。今更言ったってどうしようもないことでございますわ」
こんな時までお姫様口調を維持しないといけないのが悔しい!最後ぐらい「さようなら。」と見下して言ってやりたいもんだわ。
「星華様、今すぐ唐車(からぐるま)を動かさないと今上帝にお目にかかられていただく時間が少なくなってしまいます!」
歌式部?もう出発の時間なの。
あ、唐車っていうのは身分が高い人が乗る乗り物。乗るのは今上帝と中宮、そして特にお気に入りになった女御ふたりぐらい。
「行ってらっしゃい。会いたいよお」