神様のいうとおり!!

「言い訳を聞いてやろう」
「昨日…ゲームしてました。イベント進めないといけなかったんです……」
「はぁ〜…そこは修行してましたとか嘘つけよな〜」
「…すみません」
職員室で宝華は担任教師の諏田《すだ》先生に呼出されていた。
諏田先生は口は悪いが面倒見がよく優しい。
「もういい。もうすぐ儀式なんだからちゃんと寝ておけよ」
「はーい。失礼します」
そそくさと職員室をでる。

椚宝華(くぬぎ・ほうか)。神森学園の高校二年生、16歳。
肩ほどのゆるいウェーブをローツインテールにしている。家は代々、アヤカシ退治を生業にしている退魔師一家。祖父母に両親、兄と姉がいる。
宝華はアヤカシにも悪魔にも興味がなく、普通の生活がしたいと思っているのだが、普通の高校に行くことを許されず神森学園に入学させられたので仕方なくサボったり不真面目に過ごしている。

「あらあら〜宝華、おかえりなさい」
「ただいま〜。ちゃんと寝ろってさ。次の授業も寝るわ」
「そういう意味じゃないでしょ。宝華の好きな売店の焼きそばパン買っておいたよ」
「ありがとう」
教室に戻るとクラスメイトたちは昼休み中でおのおの弁当やら売店のパンを買って食べている。
宝華の帰りを待ってくれていた女子生徒。
羽衣石由良(ういし•ゆら)
宝華より少し背が高く、膝までの長いストレートヘアー。あらあらうふふ系の天使のような美少女。宝華とは小学校時代からの親友だ。

「ほふへはふぇふへ〜ふぁもひゅふぎふひっへた」
「そういえば先生がもうすぐ儀式って言ってた…で合ってる?…こないだの朝のホームルームで言ってたのに寝てたの?」
まるで初耳と言わんばかりに興奮しながら話す宝華に呆れている由良。
宝華は焼きそばパンをごくんと飲み込む。
「さすが由良!私の言いたいことわかるんだね」
「付き合い長いからね。たしか今週の日曜日だったわね」
「なんの神様の加護がもらえるのか楽しみ〜」

「ほふぅ!ほふふぁ!ほふぁえほぐぅふふんほほみふぁほ!(ふん!宝華!お前なんか虫の神の加護がいいところだろ!)」
横から弁当をハムスターの頬袋のように頬張りながら食べている男子生徒に鼻で笑われる。
「なんですってー!柊!もう一度言ってみなさいよー」
「虫ムシむしー!!」
売り言葉に買い言葉、いつもの光景だ。
「同じ穴のムジナってやつだな」
「うるせぇから廊下でやれー」
教室で食事中の生徒から苦情が殺到する。

啞唄真木柊(あべまき・しゅう)。
宝華とは幼馴染みでライバルでもある。
椚家と啞唄真木家は祖父同士、父親同士の親子二代揃って因縁のライバルで柊の父親から「椚家の者には負けるな」と小さい頃から教えられ宝華をライバル意識している。実は宝華は気づいていないが由良やクラスメイトたちから宝華が好きだとバレている。

教室内で口喧嘩する宝華と柊。
「あらあら〜仲良しさんね〜」
「「違うわ!!」」
「「ハモるな!!」」
「うふふ〜息ピッタリね〜」
ぐぬぬ〜と睨み合う二人に由良は微笑ましくみていた。