「────あれ? 君ら前の授業は空きコマになったんじゃなかったの?」
六限目が始まり、薫先生は教室へ入ってくるなり不思議そうな顔で私たちを見回した。げっそりした顔で机の上で伸びきる私たち。
「先生にサボってると思われて、三年生の実習に放り込まれたんですよ……」
青い顔で答えた来光くんに、薫先生は目を瞬かせたあとくつくつと肩をふるわせる。
「あはは、なるほど。さしずめ聖仁チームに放り込まれて、奴らの優秀っぷりを体感したって感じかな」
「優秀? ハチャメチャの間違いだろあんなん!」
「規格外ですよ規格外! 神隠し実習で白沢に乗るなんて普通思わないでしょ!?」
「オマケに最後の輪入道の模擬祓除、"思いのほか時間が余ったからお前たちがやれ"って急に前に突き出されて……」
慌てふためいた末制服の裾が輪入道の怪し火にかすってちょっと燃えました。
私がそう答えて制服の裾を広げると、いよいよこらえきれなくなった薫先生がブハッと吹き出し体をくの字に曲げて笑い転げる。
"腹を抱えて笑う"とは正しくこういう事なのだろう。
「お前ら、あの白沢に乗ったのか?」
隣の席の恵衣くんが「信じられない」とでも言いたげな顔で尋ねる。



