もぎ取るように先生から迎門の面をひったくった先輩たちは、私たちの頭に面をかけると手を握って勢いよく走り出す。
あまりの勢いに体が追いつかず転がるように走る。
「ちょ、聖仁さん!?」
「鶴吉さん! 痛いんですけど!?」
「なになになになに!?」
私と同じように転びそうになりながら引っ張られる皆が悲鳴をあげる。
「悪いけど皆のこと構ってらんないから、とにかく歯食いしばってついてきて」
「いきなりスパルタ教育!?」
あれよあれよという間に鬼脈に飛び込み幽世へとたどり着く。
「鶴吉は犬をだせ。私は上から鳥で探す。聖仁は何かいい感じの祝詞を奏上しろ」
亀世さんの端的な指示に先輩二人は「了解」と短く応えるとすぐさま用意を始めた。
犬? 鳥? 一体先輩たちは何を始めようとしているの? ていうか聖仁さんにだけ指示が雑じゃないですか。
鶴吉さんは袖の中から手のひらよりも少し小さめの小箱を取り出す。前に見た事がある形状の小箱だ。
「もしかして鶴吉さん、管狐を使役したんですか?」
「お、巫寿分かんの?」
気づいてもらえたのが嬉しいのか、ちょっと得意げに小箱を掲げた鶴吉さんにひとつ頷く。



