「妖に連れ去られたってことは、必ずしもまだ現世にいるとは限らない。むしろ、幽世に連れ去られている可能性の方が高いんじゃないかな?」
そこで私たちは「あっ」と声を揃えた。
聖仁さんの言う通りだ。
追われることが分かっていて、圧倒的に神職の数が多い現世にいつまでもとどまっているはずがない。
つまり瑞祥さんを連れ去った妖が今幽世にいるとするなら、飛沫の音が聞こえないのも納得だ。
「先に教えてあげても良かったんだけど、やってみて納得する部分もあるだろうから見守ってたんだ。ごめんね」
「いえ! 聖仁さんの言う通り、凄く納得しました」
スッキリした顔で深く頷いた来光くん。私たちもふんふんと頷き、聖仁さんは菩薩のように目を細めた。
なんだかもの凄く崇高な存在に見守られ導かれているような感覚に陥るのは私だけだろうか。
というか聖仁さんってめちゃくちゃ教え上手だな。将来は宮司なのだろうけど、きっといい先生にもなるはずだ。



