車輪が石を弾いてガタンと揺れた後、車はゆっくりと停車した。
引率の先生が立ち上がって各班に何かを伝え始める。それを聞いた先輩たちは一目散に車を飛び出して行った。
どうやら実習はもう始まっているらしい。
最後に私たちの所へ来た先生は、私たちの顔をぐるりと見渡した。
「伍班の被害者は夏目瑞祥だ。彼女の姿が最後に目撃されたのは丁度この降車地点、一日前という設定だ。では捜索開始」
さらりとした宣言のせいで反応にやや遅れをとった。実習が始まったことに気づき、慌てて立ち上がる。他のみんなもそうだった。
しかし先輩たちは膝立ちになってすすすと一斉に先生を取り囲むと、天気や気温、週末にキャンプがどうのなんて世間話を始める。
制限時間もあるんだし、他の班のように早く動き始めた方がいいんじゃないだろうか?とソワソワしながら待っていると、「それじゃあそろそろ行こうか」と聖仁さんが立ち上がる。
揃って外に出た私たち。連れてこられたのは見知らぬ山奥で、他のチームの姿はもうない。
「ああ、そういえば今日のお前たちは二年のお目付け役らしいな。時間内に達成できなくても成績は考慮してやるから、とにかく問題を起こさないようしっかり見張ってなさい」
他学年の先生にまで問題児として認識されているなんて少し泣きたくなる。数え切れないくらい問題を起こしているので何も言えないけれども。



