車の整備をしていた神職さまが「お前たち、そろそろ出発するぞ」と声をかける。外に残っているのは私達だけだった。
「よっしゃ、行くか」
鶴吉さんの一声でみんながぞろぞろと動き出す。
「そういえば、瑞祥さんはどうしたんですか?」
いつものメンバーの中に瑞祥さんの姿が見当たらずキョロキョロと辺りを見渡す。
もうすぐ出発だけれど、先に車に乗り込んでいるのだろうか?
「ああ、瑞祥なら先生と先に出発してるよ。今日の当番は瑞祥だからね」
「当番? 日直の仕事か何かですか?」
不思議に思いながら聞き返す。
私たちが車に乗り込むと、やがて車は目的地に向かってゆっくりと進み始める。
適当な場所に腰を下ろした。
「てかそもそも何の実習なんだ?」
「あれ、聞かされてないの?」
私たちは顔を見合せてひとつ頷いた。先生には無理やり引っ張ってこられただけで、説明を受けた訳でもない。
あちゃー、と苦笑いを浮かべた聖仁さんは「今日は結構キツいよ」と不吉なことを言う。
聖仁さんが「キツい」と言うだなんて、どれほど恐ろしい実習が待ち構えているのだろうか。ゴクリと唾を飲み込んだ。
「今日の実習は"神隠し"だよ」



