言祝ぎの子 漆 ー国立神役修詞高等学校ー



「────こらお前たち! もう始業の鐘はなっただろ、そんなところで何してるんだ!」


翌日の五限目、昼休憩が終わってものんびりと庭園でくつろいでいた私たちを見つけた見回りの先生が眉を釣りあげて駆け寄ってきた。


「センセー、俺らこの時間空きコマなんだよ」

「そうなんです。科目担任のセンセーが長期の出張で」


神修の先生たちは教員であるけれど、本職は神職なので本庁から任務がおりてくるとそちらを優先する決まりになっている。

薫先生もよくそれで代理の先生を立てたり休講にしたりしているけれど、長期の任務でなおかつ代理の先生も立てられなかった場合はこうして授業自体がなくなりその時間は晴れて自由時間となる。


「休講や空きコマは自由時間じゃないんだぞ。他の学年は勉強しているんだからお前たちも研鑽に当てなさい」


はーい、と適当に返事をした私たちに先生はため息を吐く。ふと何かを思い出したようにポンと手を打った。


「そうだ、丁度いい。三年生がこれから実習だから混ぜてもらいなさい。私が口利きしてあげよう」


まさかの提案に皆の「ゲーッ!」という声が揃う。


「ゲーッとはなんだゲーッとは」

「いやいやいや、先生俺たちこれから演習場で自習練するつもりだったんだよ! なッ、皆!?」

「そ、そうそう! 僕らちょっと休憩してただけで」