「おい椎名巫寿いつまでぶらさがっている気だ自分で降りられるだろ」
歩み寄ってくる嬉々先生と目が合いそうになり不自然なほど勢いよくぐりんと顔を背けた。
「貴様どういうつもりだ何か隠しているのか」
嬉々先生は私の頬を掴み自分の方へ向けさせる。目が合うなりギュッと眉根を寄せて私を睨む。
「なんだその気の抜けた顔は」
にやけそうになる頬を必死に叩き気持ちを引き締める。
余計なことを考えちゃ駄目。自主練に集中しなきゃ。
絶対に、嬉々先生がクマちゃん柄のパジャマを着ている姿なんて想像しちゃ駄目……!
堪えきれずに「んふっ」と小さく笑い声を漏らす。嬉々先生がとんでもなく恐ろしい顔で私のことを睨んでいるけれどそれもポーズにしか見えない。
やっぱ無理だよこんなの! 恨みますよ奏楽先生!
「椎名巫寿、罰則一ヶ────」
「す、すみません! 集中します!」
危うく罰則を食らいそうになりタロちゃんの手から飛び降りて演習場の真ん中へ駆け出した。



