私たち学生組は日付が変わる前に広間から追い出されたけれど、どんちゃん騒ぎは夜明け頃まで続いたらしい。
それでも神職さまたちは朝拝が行われる朝六時にはきっちり禊を終えて神棚の前に集まり背筋を伸ばして座っていたので、流石としか言いようがない。
何人かは死人のような顔色だったけれど、むしろあれだけ飲めや歌えや騒いでスンとしていられる人達の方がおかしい。
昨日の話し合いで役割分担がされたのか、神職さまたちは朝拝が終わるとすぐに各チームに別れて動き出す。どうしても気になって、恵衣くんと二人、丸くなって話し合う神職様達のそばをわざと歩けば「ガキンチョは外で遊んでろ」と追い払われた。
どうやら本当に私たちには一切関わらせる気はないらしい。
「どうする?」と次の作戦を話し合っていたところで、禄輪さんと薫先生に呼び出された。腕を組んだ禄輪さんが私たちを交互に見て深く息を吐き額を抑える。
「まったくお前たちは。神職の邪魔をするんじゃない」
「でも禄輪さん、私たち邪魔はしてません」
「歩いた先に神職さまがいらっしゃっただけです」
ブハッと吹き出した薫先生は「間違いない」と肩を震わす。間髪入れずその脳天に禄輪さんの拳が落ちた。
私達二人も痛くないげんこつを頂戴し、こっちだと案内されたのは狭い会議室だった。



