「大事な子だよ、大事な子。もちろんお前もな」

「ちぇーっ! つまんねぇ!」


不貞腐れた若い神職さまは周りの大人たちに肩を揉まれて座り直す。

喉の奥でくつくつと笑った禄輪さんは目を細めてグラスを煽る。




「────特別な子、ではあったがな」




喧騒に紛れて、そんな言葉が聞こえた気がしてハッと振り返る。

禄輪さんは両サイドの神職さまに絡まれて迷惑そうに顔を顰めていた。