奏楽先生の婚約者が嬉々先生!?
どの学年の生徒からも恐れられているあの嬉々先生にまさか婚約者がいたなんて。しかもその婚約者が学校一ゆるふわな奏楽先生だなんて。
今年一の衝撃的事実かもしれない。
今すぐクラスメイトたちに共有したいのだけれど「秘密」だと言われたことを言いふらすような無粋な真似はしたくない。
グッとこらえて────せめて恵理ちゃんだけにしようと心に決める。言いふらしたくはないけれどこの衝撃をとにかく誰かに共有したい。恵理ちゃんに話すことだけはどうか許して欲しい。
「可愛いんですよぉ、僕の婚約者」
むふふと笑った奏楽先生は頬を赤くしていかに婚約者が可愛らしいのかを語り始める。
これ絶対に酔った勢いで始まった惚気話だ。というかこれを聞かされて、三学期からどんな顔で嬉々先生の授業を受ければいいんだろう。
嬉々先生すみません。この記憶、頑張って忘れますから。
彼女は寝る時可愛いパジャマを着るんです、なんて絶対にばらされたくないであろうプライベートを次々と暴露されている嬉々先生に心の中で手を合わせた。



