懐かしい顔ぶれが数年ぶりに揃ったこともあり、一通りの話し合いが終われば流れるように飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎが始まった。
私と恵衣くんは盗み聞きの罰──と言っても別に何かを盗み聞くことができた訳ではないのだけれど──としてトイレ掃除を言いつけられ一時間遅れて参加する。
志らくさんが「あんなん会合とちゃうわ」と言っていたのがよく分かった。大人でもこんなに子供みたいに羽目を外すことってあるんだなぁ、と腹踊りを始めた神職さまを見上げながら笑う。
「あんな大人になってはいけませんよ」
隣に座っていた栗花落景福巫女頭が苦い顔でお茶を啜る。
彼女はまねきの社に務める全ての巫女を束ねる本巫女だ。
「それにしてもびっくりしました。景福巫女頭もかむくらの神職のおひとりだったんですね」
「ええ。今回からの参加になりますが。先の戦の頃はまだ中学生だったので」
先の戦が中学生……? つまり景福巫女頭ってまだ25、6歳ってこと!?
偶然発覚した年齢に衝撃が隠せず、かと言って顔に出すと失礼なので慌てて目の前にあったオレンジジュースを口に含む。
ものすごくしっかりした人だから、てっきり薫先生よりも歳上なんだと思っていた。老け顔という訳では無いけれど大人びた顔立ちだし……。



