「巫寿ちゃん」 シックな黒いワンピースに身を包んだ女性。その表情はどこか暗く、瞳は不安の色に染っている。 「……麻(あさ)さん」 「大丈夫? 酷い顔色だよ。ちゃんと眠ってる? ご飯は食べてる?」 その優しさが今は痛い。私にはその優しさを受け取る資格なんてない。 ひとつ頷いてその瞳を見上げた。 「お願いします。去見(きょけん)の明で、私の過去を見てください。私と芽さんの間に何があったのか、知りたいんです」