「貯金なんて何が面白いんだよ!? まだ俺ら学生なんだぜ!? 人間いつ死ぬか分かんねぇんだから、パーッと使うべきだろ!」
馬鹿なのかこいつ、と恵衣くんが呟く。それはちゃんと泰紀くんの耳にも届いたらしく、なんだとこの野郎とヘッドロックを決められていた。
恵衣くんも貯金賛成派らしい。
聖仁さんは、いやぁと少し恥ずかしそうに顔を赤くして頬を掻く。
「その、専科に上がったら寮に住むか外で暮らすか選べるでしょ? 瑞祥と、同棲しようかって話が出てて……」
へへへ、とはにかんだ聖仁さん。
あー……なるほど、そういうことか。聖仁さんのお金の使い道は、貯金ではなく瑞祥さんということだ。
しっかり己の欲望のために役立てようとしていて遠い目をする。
「お揃いのマグカップとかスリッパとかパジャマとかも買いたいし、二人で座るソファーも必要だな……あ、やっぱり褒賞の分配はなしでもいい?」
買いたいものを指折り数えた聖仁さんはふと真顔になって私たちを見る。
「やだよ!」
「ふざけんなテメェ」
「冗談だよ」
目の色を変えた泰紀くんと亀世さんにケラケラと笑って両手を降った。
微笑ましいやり取りを頬を緩ませながら見守る。改めて、このメンバーで実習に来れたことに感謝した。
さて、と膝を叩いて立ち上がった聖仁さん。



