言祝ぎの子 漆 ー国立神役修詞高等学校ー


皆と捜査してなければここまで辿り着けなかったと思うし、これはこのメンバーの手柄だと思うんだよね。

一つ伸びをしてのほほんと笑った聖仁さんにもう言葉が出てこない。

何を食べたらこんなにできた人間になるんだろう。私が聖仁さんの立場なら、そんな台詞を言えただろうか。


「よく分かってるじゃないか。お前が恩知らずじゃなくて良かったよ。ちょうど新しい顕微鏡が欲しかったんだ」

「ははっ、亀世は欲望に正直だね」


はいはーい!と泰紀くんが手を伸ばす。


「俺も新しい槍と防具欲しい! 余った金で焼肉食いたい!」

「焼肉いいねぇ。春休みが始まったら、またみんなで集まって食べに行こうか」


やりぃ!聖仁さん大好き!唇を突き出して抱きつこうとする泰紀くんの額を笑いながら片手で抑えこむ。


「そういう聖仁さんはもらった金で何するんだよ?」


自分の使い道を聞かれるとは思っていなかったらしく、「俺?」と首を傾げた。

思えば聖仁さんの趣味や好きな物のことをよく知らない。

聖仁さんは何に使うんだろう? やっぱり勉強道具とか本だろうか?


「俺はそうだなぁ……やっぱり貯金かな」


聖仁さんらしい回答に私はとても納得したけれど、泰紀くん「ええ〜?」と不満げな声を上げた。