言祝ぎの子 漆 ー国立神役修詞高等学校ー


本当は扇子や巫女鈴を使うのが鼓舞の明の正しい形なのだけれど、小道具なしで舞った時もちゃんと発動したのは確認済みだ。

今回も小道具はなしで、と思ったところで紙紐がちりんと音を立てる。恵衣くんから貰った紙紐だ。そういえばあれにも鈴が付いていた。指先でそっと触れるとまたちりんと可愛らしい音を立てる。

これ、使えるかも……!

するりと紐を解いて手首に巻きつける。やっぱり可愛い、とガラス細工の花びらをつんと続いて目を細めた。


皆が私を囲うように広がる。

真剣な眼差しが集まって何だか少してれくさい。ひとつ大きく息を吸って深く吐き出す。余計な力が抜けて、心臓の拍動が落ち着いていく。

"授力は誰かのための力"

その言葉を思い出す。

鼓舞の明の最初の形、ゆっくりと手を差し出す。

私はこの授力で、鼓舞の明でみんなを支えるんだ。