まだ答えていないのは私だけだ。自然と視線が集まる。うう、と言葉に詰まらせた。
この場にいるメンバーと比べれば自分が一番弱いのは周知の事実だ。それに聖仁さんや恵衣くんと違って、提案された時にすぐに答えられなかった時点で、心の底から挑戦してみたいという気持ちはなかったのだろう。
でもみんながやるって言っているのに断る勇気もなければ、亀世さんのようにスパッと断る勇気もない。
つくづく優柔不断な自分が嫌になる。
どうしよう……。
きゅっと唇を噛んだその時、「おい」と恵衣くんの声が頭上から聞こえた。顔を上げるといつものように呆れた顔でこちらを見下ろしている。
「すぐに選べないなら今の自分になら何ができるかを考えろ。物事の答えを二択にするな。時間の無駄だ」
ふん、と鼻を鳴らした恵衣くんの頭を聖仁さんが軽く小突く。
「ちょっと恵衣言い方。いいんだよ巫寿ちゃん、ゆっくり選んでくれて」
そう言ってくれたものの、やはり選択を迫られている状況には変わりない。
己の手のひらをジッと見つめる。
"今の自分になら何ができるか"、"答えを二択にするな"……か。
私に何ができる? 今の私にできること、できること……。
あ、と小さく声を上げる。
もう答えがわかっているのか、薫先生は頬笑みを浮かべて私を見つめている。



