ふむ、と腕を組み黙り込む薫先生。そんな様子に私たちは顔を見合わせる。
そしてこの流れ、とても嫌な予感がする。
「いやね、普段なら"丁度いいじゃ〜ん、特別授業だよ"って連れてってるところなんだけど、今回は案件が案件なだけに……うーん、どうしようか」
「嘘だろ? あんなに無理やり俺らを振り回してた薫先生が悩むだなんて、明日は槍が降るのか?」
「ちょっと泰紀? 俺のことなんだと思ってるの? あはは」
たしかにこれまでの薫先生なら私たちの都合なんてお構い無しに「特別授業だよ〜」と笑いながら問答無用の強制参加だった。
薫先生が考え込むくらいの案件って一体何?
「どういう任務なんですか?」
代表して聖仁さんが尋ねる。
顎をさする薫先生、そして。
「それがさぁ、"空亡の残穢"の回収なんだよね」
みんなの目が点になる。たっぷり十秒間が空いて、「ええ!?」と驚愕する声が揃った。



