言祝ぎの子 漆 ー国立神役修詞高等学校ー


「俺らは任務中なんだぜ! 昔の行方不明事件の捜索やってんの」

「へぇ〜、頑張ってんじゃん。でももう結構遅いよ。そろそろ社に戻った方がいいんじゃない?」


そう言われて思い出したように時間を確認する。奉仕終了まであと15分くらいだった。最近暗くなるのが早かったせいで時間感覚が分からなくなっていたらしい。


「でもあと一箇所だけなんで、そこだけ回ったら帰ります」

「じゃあ俺も付き合うから、サクッと終わらせちゃってよ」


思わぬ提案にみんな目を瞬かせる。


「薫先生も任務中なんじゃないんですか?」

「俺のはあとでいいよ、こっから近いし」


じゃあお願いします、と頭を下げた聖仁さんは薫先生と並んで歩き出す。

私たちもその後ろに続く。


「で、皆はどこ向かってんの?」

「この先にある廃神社です。水折(みおり)神社ってとこなんですけど、妖からそこで妙な霊を見たって話を聞いて────」


え?と話を遮るように聞き返した薫先生。少し驚いた顔をして「いま水折神社って言った?」と聞き返す。

まるでその神社のことを知っているような口ぶりだ。


「ご存知なんですか?」

「ご存知も何もそこ、俺がこれから任務に行く場所だよ」


今度は私たちの「え?」が揃う。