言祝ぎの子 漆 ー国立神役修詞高等学校ー


集合地点で合流するよりも先に、その少し手前の交差点で亀世さんチームと落ち合うことができた。

おーい、と信号の下で手を振ると、それに気づいたふたりが駆け寄ってくる。


「妖から有力情報が聞けたんだって?」

「そうなんだ。ちょっと気になるところはいくつかあったけど、3箇所目の地点とピンポイントで重なってるから何かしらあると思うんだよね」

「とりあえず行ってみるか」

「だね。詳細は歩きながら説明────」


信号が青に変わって、歩き出そうとしたその時。

車道で信号待ちしていたタクシーから「あれ、君らこんなとこで何してんの?」と聞き馴染みのある声に呼び止められた。

振り返ると後部座席の窓から顔を出した(くゆる)先生が「おーい」とこちらに向かって大きく手を振っていた。


「えー! 薫センセーこそ何してんの!?」

「あはは、ちょっと渡って待ってて」


顔を引っこめた薫先生。タクシーが近くの道路脇によると、精算中のランプが点灯する。歩道の信号が点滅を始めて、私たちは慌てて渡りきった。

次の青信号で私たちの元へ駆け寄ってきた薫先生。黒のダウンジャケットに紫色の袴姿だ。はぁ〜寒!と紺色のマフラーに顔を埋め白い息を吐く。


「薫先生はお仕事ですか?」

「そ、巫寿。正解。厄介な仕事また押し付けられちゃってさぁ。まったく俺の事便利屋かなんかだと思ってんのかね」


やれやれと首を振った薫先生。