「妙な気配?」
「おう。普通幽霊ってのは陰気臭くて根暗なヤツらが多いだろ? ────あ、これはお前らの悪口じゃねぇからな? 世間様の認識を言ってるだけだ」
振り返って幽霊たちに訂正を入れる。悲しい顔をしていた幽霊たちはホッと息を吐いた。
「でもその幽霊はなんというか、たぶん良い奴なんだよ」
「随分と感覚的な物言いだな」
論理派の恵衣くんが苦い顔をした。
「だってよぉ、そうとしか言いようがないんだよ。気配でわかったんだよ、あいつは悪さをするようなやつじゃねぇ。幽霊は幽霊でも、あれは善良な幽霊だ」
善良な幽霊。
これまで幽霊について色々習って来たけれど、幽霊というものは基本害を与えるか無害かの二択だ。無害どころか善良な幽霊が存在するなんて聞いたことがない。
「なるほどね。とりあえずどこで見たのか覚えてる?」
「あれは確か……二日前だな! 結構こっから近いぞ。もうちょっと北東に行ったところに、廃神社があるんだけど知ってっか? 最近潰れた神社だよ、たしか50年前くらいだったか?」
からかさ小僧が"神社"と表現したので、そこは私たちのような言霊の力がある神職が管轄するのではなく、普通の神職さまがいる神社なのだろう。言霊の力をもつ神職が管轄するところは、皆一様に"社"と呼ぶ。
というか、ここから近い東北へ行ったところの神社ってもしかして。
「3箇所目のポイントだね」
聖仁さんが顎に手を当てて呟く。



