ていうか傷付けるって何、と習った時と同じツッコミを入れて深く息を吐いた。
「巫寿ちゃん、写真出してくれる?」
「は、はい」
カバンに入れていたタブレットを取り出した。
画面を立ち上げて写真フォルダを開き、その中から陽太くんの顔写真を表示させる。くるりと画面を回転させ、集まった幽霊や妖たちに見せた。
「この顔の幽霊を、さ、探してます」
もっと良く見ようと幽霊たちが音もなくすううと近付いてくる。思わずゴクリと息を飲んだ。
すると隣に立っていた恵衣くんがため息をついて私からタブレットを取り上げると、「邪魔」と私を後ろに下げて己が前に出る。
幽霊たちは恵衣くんを取り囲んだ。
もしかして代わってくれたの……?
触るな壊れるだろ、と妖たちを叱り飛ばす恵衣くんの背中に「ありがとう、助かりました」と心の中で必死に手を合わせて感謝の念を送る。
改めて集う幽霊たちの顔を見た。
みんな害のない浮遊霊ばかりで、陽太くんらしき顔の霊はざっと見た感じいない。
お前見た事ある? いやねぇな〜。
聞こえてくる妖たちのやり取りにもいい反応はあまりない。妖の噂は風より速い、という諺があるけれど、妖のネットワークをもってしても駄目か。
「あ、そういや、顔は見たことねぇけど妙な気配の幽霊ならチラッと見かけたことあんぜ」
そう答えたのはからかさ小僧だ。一本足でぴょーんと器用に飛び上がるとみんなの間をすり抜けて前に出てくる。



