でもすごくいい写真だったよなぁ。

満面の笑みの瑞祥さんを後ろから抱きしめる聖仁さん、その眼差しは陽だまりのように優しくて、どこを切り取っても幸せいっぱいな写真だった。


「順調も何も、毎日幸せすぎておかしくなりそうだよ」


ふふふ、と笑った聖仁さんに「あ、やばい」と心の中で呟く。聖仁さんの中の惚気スイッチを押してしまったかもしれない。

そういえば明日の奉仕、と話題を逸らそうとしたけれど時すでに遅し。最近さぁ、と蕩け顔で話し始める。

ちらりと時計を見て長くなりそうだなぁと苦笑いしながらココアを一口。

まぁ大好きな先輩たちが幸せならそれでいいか、と小さく肩を竦めて耳を傾けた。


「なんていうか、さ」


怒涛の勢いで語り始めるかと思っていたけれど、言葉を選ぶようにそう呟いた聖仁さん。いつもと違う様子に首を傾げる。


「最近幸せって言葉じゃ足りないくらい満ち足りてるって言うか……足りてなかった部分がやっと埋まって自分が完成したような、そんな気がするんだよ」


なんだ結局惚気か、と肩をすくめる。


「瑞祥がいれば他は何もいらないってくらい大切で。瑞祥が幸せであればそれでいいって、心の底から思えるんだよね」


珍しく頬を赤らめて照れる聖仁さん。

ごめん俺何言ってんだろ、と顔を隠すようにマグカップを煽る。