「君がその剣を持っているということは、ある程度は三種の神器について調べているんだろう。知ってのとおり現世の神器が"統べ導くもの"に対して、こちらの三種の神器は"滅び終わらせるもの"だ。だから芽は神器を三つ集め、神社本庁を壊滅させようとしているのだと思う」
隆永宮司の言葉に首を捻ったのは私だけではなかった。あの、と恵衣くんが割って入る。
「國舘剣が盗まれただけで、三種の神器を狙っていると考えるのはあまりに早計じゃないですか? 社の失墜を企んで、象徴とも言える宝物を盗んだだけかもしれない」
私と同じ考えで少し安心する。
私も國舘剣が盗まれただけで三種の神器全てを狙っていると考えるのは性急だと思っていたところだ。
もし今芽さんが三つのうちの二つを持っていたならまだしも、まだひとつも持っていない。
「君たち、三種の神器が今それぞれどこにあるのか知っているか?」
三種の神器がどこにあるか?
恵衣くんと顔を見合わせる。
國舘剣は今私の手元にあるけれど、きっとそういう事じゃない。隆永宮司はおそらく、世間一般にどの程度知れ渡っているかということを言いたいのだろう。
「ふくらの社に払日揮毫筆があることくらいしか知りません」
払日揮毫筆、三種の神器のひとつで筆の形をしている神器だと聞いたことがある。
あれ、でも、ふくらの社ってたしか。



