言祝ぎの子 漆 ー国立神役修詞高等学校ー


「芽さま! 駄目です、お戻りください! どうか、どうかッ!」


叫び声は届かない。熱風を吸い込みその場に崩れ落ちた。

遠ざかっていく背中、燃え盛る宝物殿、響く雷鳴、崩れ落ちる母屋。

本殿から駆け出してきた隆永さまが見えた。刀身が炎を映し赤く燃え上がる。飛び散る赤は、火花か血飛沫か。



その日、ご実家であるわくたかむの社の宝物殿、本殿、母屋を襲撃した芽さまは、盗んだ國舘剣(くにたちのつるぎ)で父親である隆永さまと祖父母を襲い姿をくらました。

その後本庁の庁舎をも襲撃した芽さまは、またたくまに重罪人として全国の社へと通達された。