「状況は」 「本庁も混乱しているようで連絡が取れません。休暇中の者でひとり、自宅が本庁に近い神職がおりますので、様子を見てくるよう頼みました」 「そうか」 端的に答えた隆永さまは、踵を返して本殿へ向かって歩いていく。太陽が東の空から顔を出していた。朝拝の時間だ。 慌ててその背中を追いかける。嫌な胸騒ぎと拭いきれない不安だけが残っていた。