もっとこの時に気にかけて差し上げていれば、何か変わったのだろうか。
社の忙しさを言い訳に、大切な人を失った芽さまのお気持ちを充分に聞いて差し上げることが出来なかった。
しかし審神者さまの元には変わらず通われているご様子だったし、審神者さまが気にかけてくださるだろうと思っていた。
だから芽さまは大丈夫だ。御学友も薫さまも審神者さまもいる。きっと大丈夫だ、そう過信しすぎていた。
夏休みが明けて神修へ戻っていく背中を見送る。この時芽さまがどんな表情をなさっていたのか思い出すことができない。
ただ次の冬にはいつものように、「ただいま、真言」そう言って帰ってくると思っていた。
まさかあんな形で、帰ってくるとは思いもしなかった。



