ネットサーチ組の亀世さん泰紀くんペアから上がってきた情報をもとに聖仁さん恵衣くんペアが情報を整理、精査し、精査された目撃情報を私が拡大コピーした地図に書き込んでいく。

すると同じ条件の目撃情報があの町だけで三箇所ほど確認されていた。

私が印をつけた地図をテーブルの上に広げて、星印を辿っていく。


「なんかさぁ、これ……」


組んでいた腕を解いた泰紀くんが星印を指で繋ぐ。


「横一列に並んでね?」


ネットに一番最初に掲載されていたのは数年前、工事現場に白シャツとグレースラックスの少年の霊がいるという目撃情報だ。そのまた数年後に交差点の真ん中に立つ同じ格好の少年霊が目撃され、その一年後には廃屋の窓辺に立つ少年が目撃されている。

さらに半年後に国道の歩道橋の上に立つ姿が報告されており、その三ヶ月後が祥吾先生が見たという高架下の目撃情報だ。

その五箇所を線でつなげば、目撃情報が古い順から並び町を横断するように直線が描けた。


「なんだこれは。気味が悪いな」


眼鏡を押し上げた亀世さんが地図に顔を寄せる。


「これが陽太くんの霊かはさておき、全部同じ霊なのだとしたら何らかの意志を持って動いているような感じがするね」


顎に手を当てた聖仁さん。ボールペンのおしりで星印をスーッとなぞる。

たしかにここまで綺麗な横並びだと、自然とそうなったとは言い難い。