「いや、泰紀からまともな意見が上がったことに驚いただけだ」

「お前もまともなこと言えるんだな」


あまりにも率直すぎる亀世さんと恵衣くんの感想に、泰紀くんは「うるせぇよ!」と顔を赤くする。

口には出さないけれど、私もちょっと同じことを思っていた。ごめん泰紀くん。


「まぁまぁ泰紀落ち着いて」


どうどう、と馬を宥めるように手を上下させた聖仁さん。


「それすっごい名案だよ。その作戦で進めよう。俺、祥吾先生に連絡先もらったから、見た霊の詳細聞いてくる。恵衣と巫寿ちゃんはあの町周辺の地図を拡大コピーしてきてくれる? 亀世と泰紀はネットサーチを始めてて」


数分前まで行き詰まっていたのを忘れるほど、スムーズに段取りが決まっていき、私たちはそれぞれの任務に取り掛かった。