私の予想は大当たりで、一時間近く学校のことや友達のこと周りの人達の恋バナでひと通り盛り上がり、お互いに和雑貨集めが趣味だということが判明した頃には、私はすっかり麻さんのことが大好きになっていた。

今日は屯所に泊まるつもりだと言っていたので、私の部屋に泊まってもらおうと布団を引っ張り出していると、ちょっと怒った顔をした例の過保護神主さが、麻さんのことを迎えにきた。

「麻ちゃんの力を借りる時は僕を通すように言いましたよね!」と禄輪さんが説教を受けている姿を横目に、急遽帰ることになった麻さんとの別れを惜しむ。


「ごめんね、急遽帰ることになっちゃって。今度のお休み楽しみにしてるね」

「はい……! 私も楽しみです」


スマホのカレンダーに登録した次に会う日の予定画面を見せ合って笑う。

そしてちょっと言葉に迷うように視線を泳がせたあと、私の手を取りきゅっと握った。


「私はかむくらの神職ではないけど、禄輪さんから麻ちゃんの状況は何となく聞いてるの。だから────困ったことがあったらいつでも連絡してね。本当にピンチの時って、誰かに頼ることを忘れちゃうから」


なんだか深みのある言葉に首を傾げる。


「麻さんも困ったことがあったんですか?」


私の質問に目を瞬かせた麻さん。そして昔を懐かしむように目を細めたあと、わざとらしく疲れたような顔をして深く息を吐く。