「どうしてお姉さんが?」

「用があって私が呼んだんだ」


禄輪さんが代わりに答える。そういえば禄輪さんとお姉さんは前から親しげだった。


「巫寿ちゃん、ちょっと待ってて。後でお喋りしよう」


ふふ、と花が咲いたように可憐に笑ったお姉さんは部屋の奥に引っ込んでいく。

少し祝寿と待ってろ、と私の頭を撫でた禄輪さんは静かに襖を閉じた。